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【巨人コラム・Gペン】「伝統の一戦」に恥じない戦いを

スポーツ報知 9月8日(木)16時2分配信

 巨人が5年連続の阪神戦勝ち越しを決めた。さらに言えば、9年連続で負け越しがないそうだ。最後に負け越した10年前といえば2007年。巨人は阪神に9勝14敗1分けと負け越したものの、5年ぶりのリーグ優勝を果たし、阪神は3位だった。じゃあ、その前に負け越したのは? やっぱりそうか。05年、私が巨人の担当記者だった年だ。

 思い返せばロクなことがなかった。いわゆるジャイアンツの“黒歴史”のような1年だった。守護神と期待されたミセリは開幕から1か月もたたない4月中旬に解雇され、浅草で人力車に乗って、観光だけ楽しんで帰ってしまった。直後の福岡では、ローズが「みんなヘタクソ。ピッチャーも、コーチも、みんな悪い。ジャイアンツ大嫌い!」などとブチ切れた。「紳士たれ」とは正反対のことばかりが次々に起こった。

 仁志、二岡、高橋由、小久保、阿部、上原ら充実したメンバーがそろっていたのに、残ったデータは不名誉なものばかりだった。球団史上ワーストのシーズン80敗。計737失点に防御率4・80もワースト記録と、投手陣の不調が顕著だった。私はといえばゲームよりも、シーズン前半から東京・大手町の読売新聞社前に立ちつくしていた記憶の方が鮮明に残っているほどだ。結局、このシーズンは5位に終わり、堀内監督は退任。原監督が指揮を執ることになった。リーグ優勝は岡田監督率いる阪神が成し遂げた。

 さて、今季の巨人。本来なら勝負の9月だというのに、こんなにも盛り上がらない「伝統の一戦」があっていいものか。6日の甲子園でも、左翼席あたりに空席が目立っていた。リーグ優勝の可能性がほぼ消滅した巨人と、自力でのクライマックスシリーズ進出の可能性が消滅し、シーズン勝ち越しすらなくなった阪神。目の前の大きな目標を見失った両者の戦いは、まるで消化試合。見ていてもドキドキがない。

 勝っても負けても、「伝統の一戦」には最後までその名にふさわしいドラマがあるべきだ。(大阪編集センター・河井 真理=05年巨人担当)

最終更新:9月9日(金)19時54分

スポーツ報知

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