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公取委が“警告”するアイフォーン。新機種で販売価格は是正されるのか

ニュースイッチ 9月7日(水)7時40分配信

キャリア各社、アップルの出方は?

 公正取引委員会が携帯電話大手によるスマートフォン端末の販売について独占禁止法に違反する事例を指針にまとめて1カ月余り。携帯各社は指摘があった新品端末の総額を固定する割賦契約について見直す動きがあるが、中古端末の下取りや国内流通の問題は着地点が見えていない。格安スマホ事業者が台頭する中、キャッシュバック廃止後、初めての米アップル製スマホ「iPhone(アイフォーン)」新機種の商戦を週末にも迎えるだけに指針を踏まえた各社の出方が注目される。

<MVNOは人気端末を扱えない>

 公取委は8月、報告書「携帯電話市場における競争政策上の課題」を公表した。中古端末流通やスマホ販売の商慣習が独禁法に違反する可能性を指摘し、スマホの販売の是正を求める内容だ。格安スマホなどを販売する仮想移動体サービス事業者(MVNO)の参入を促す狙いがある。

 総務省はMVNOの参入促進を巡り、携帯各社の実質0円販売や通信料金の高止まりの問題と併せて施策を講じてきた。結果、MVNOの参入事例が相次ぎ、通信市場での存在感がある程度高まった。

 一方、携帯各社はソフトバンクがサブブランド「ワイモバイル」など格安スマホの提供を始めた。携帯各社とMVNOとの競争が活発化し、新たなフェーズに入っている。

 「どう考えても影響が出るのは、アップルだろう」。情報通信総合研究所の岸田重行上席主任研究員は公取委の報告書をこう分析する。

 MVNOがさらに伸びていくには、人気の高いアイフォーンの取り扱いが重要なカギになる。現状、MVNOで扱っているところはほぼない。アップルと契約していないためだが、これは契約自由の原則から問題はない。

 ただアイフォーンを呼び水に携帯各社がマーケティングを積極展開する中で「端末を縛っている」(岸田上席主任研究員)。それに伴い端末の競争が働かず、MVNOが人気の端末を扱えないとなれば新規参入の障壁になりかねない。特定の企業に言及していないが、その可能性を示唆しているのが公取委の指針だ。

<アップルが中古端末を流さないよう条件?>

 一つは、携帯大手が店舗で下取りした中古端末が国内に流通していない点。これはアップルが携帯大手と契約する際に、中古端末を国内に流さないように条件を課しているのではないかとの見方がある。

 新品の出荷台数に対する中古端末の販売実績は8%程度にすぎない。国内に中古が流通しなければ「ユーザーが新品の購入に流れるのは想像に難くない」(公取委事務総局の木尾修文経済調査室長)。

 関係者によると、携帯各社が下取りする中古端末はアンドロイド端末を含め年数十万台。約7割が海外向けで香港の中古市場を中心に輸出され、うちアイフォーンは8割程度とみられる。残りは国内で補償サービスの代替機やリサイクル向けとされる。

 公取委は中古端末の不当高価購入も課題に挙げる。店舗で不当に高い価格で端末を下取りし、競合の中古専売店の経営悪化をまねいた場合、規制対象になる可能性がある。

 例えば2万円で端末を下取りして1万円で販売するなどコスト割れの取引を継続し、中古専売店が倒産、独占企業となった店舗が今度は不当に安い価格での下取りを避けるのが目的にある。

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最終更新:9月7日(水)7時40分

ニュースイッチ