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カネで宿題をやってもらうのか

ニュースソクラ 9月7日(水)12時40分配信

丸投げで10万円のケースも

 夏休みも残り僅かに迫ってきた。夏休みと言えば、楽しい長期休日だったが、山のような宿題に頭を悩ませた思い出のある方も多いだろう。もっとも、割と早めに仕上げる優等生タイプの人にとっては、それほど嫌な思い出でもないかもしれないが。

 さて、残り僅かになって家族にも宿題を手伝ってもらい何とか2学期に間に合わせる・・・というのが、昔からの夏休みの宿題にまつわるパターンだが、現在では事情が変更しているようだ。

 何と「宿題代行業者」なるビジネスを営む業者が宿題を代わりにやってくれるという。特に高校受験を控えた中学3年生などが、夏休みの宿題の出来は内申書にも関係するため、依頼するケースが目立つという。例えば面倒な作文などは3000円で請け負ってくれるようで人気があるようだ。勿論、夏休みの宿題のみならず通常の宿題も請け負ってくれるというから驚きだ。

 記者(角田)の経験では出身地神戸の名門・灘中など難関中学受験を控えた子供が、塾(日能研等)の勉強や受験対策を優先させるため、学校の宿題を親が代わってやるということがあった。しかし、基本的に「宿題は自分の力でやるもの」という考え方は優等生であれ、落ちこぼれであれ、関係なく意識としてあった。

 この事態を文科省や教育委員会はどのように捉えているのだろうか。

 中野区教育委員会の指導主事(教員籍の職員)は、
 「そんな業者があるなんて知らなかった。事実関係を調べてみたい。図工作品を親が殆んど作ってしまうということはあったが、一般教科の宿題を業者が行うなんて聞いたことがない。それでは宿題の意味がない」と驚きをもって話す。

 公教育の本丸である文部科学省の見解はどうなのか。担当部署となる教育課程課の職員によると、
 「国として宿題代行業者の存在を把握するということはしておりません。宿題もそれぞれの学校のやり方ですし。ただ、代行業者が存在するというのはプライベートな場で耳にしました。違法行為ではないし国としては何かすることは今のところありません」
 と困惑するしかない様子だ。

 教育委員会で問題にならないのは、おそらく利用する保護者・生徒共に代行業者を有り難いと感じているからだろう。依頼通りに丁寧に仕上げるのだろうから、消費者センターにも苦情は来ない。

 現場教師によると、
 「宿題代行業者が行ったというのは、見ればある程度わかる。しかし、証拠もないのに生徒を注意できない」
 という状況のようだ。

 ネットで「宿題代行業者」の広告が沢山出てくる。業者の存在の是非を巡って議論も起きているから、現場の保護者・生徒にとっては、かなり常識的に浸透している問題のようだ。
 「夏休みの宿題を全て業者に丸投げすると10万円ぐらいかかる」
 というケースもあるという。当分このビジネスは隆盛が続きそうな様子だ。

■角田 裕育(ジャーナリスト)
1978年神戸市生まれ。大阪のコミュニティ紙記者を経て、2001年からフリー。労働問題・教育問題を得手としている。著書に『セブン-イレブンの真実』(日新報道)『教育委員会の真実』など。

最終更新:9月7日(水)12時40分

ニュースソクラ

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