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タイ戦は快勝だったか? 初勝利も、ロシアW杯への道のりはなお険しい「終盤にプレゼントを与えてしまった」

theWORLD(ザ・ワールド) 9/7(水) 16:30配信

不安の拭えない勝利

グループBのなかでタイは他国と比べると実力が劣る。すなわち、対戦したときには確実に勝点3がほしい相手だ。こう考えるのは過信や油断ではなく、サッカー界に厳然と存在する力関係から判断したもので、アウェイとはいえなんとしても勝点3がほしかった。

結果として、日本代表は原口元気、浅野拓磨のゴールで2-0の勝利を収め、求めていた解答を得た。ただ、決して不安を払拭するような快勝ではなかった。「試合終盤にプレゼントをひとつ、ふたつ与えてしまった。こうした状況に陥るのには、心理面に問題がある」と語ったのはヴァイッド・ハリルホジッチであり、西川周作も「内容はともかく、勝点3を得るという結果を残せて良かった。ただ、今後は2-0で完全に終わらせる守備、相手に隙を与えない守備を作っていきたい。いまは自分たちのミスでチャンスを与えているので、しっかり修正したい」と言葉を残している。

ハリルホジッチが率いる日本代表はどうも落ち着きがなく、アジアのなかでトップレベルだという本来あるべき泰然自若とした雰囲気がない。相手に「日本には勝てない」という印象を与えるような力強さがなく、迎えたタイ戦もドタバタ感があり、慌てた様子が随所に見られ、失点していてもおかしくないシーンもあった。

展開としては悪くなかった。立ち上がりから主導権を握り、18分という早い時間帯に先制点を奪った。その後も流れは日本代表にあり、前半のうちに追加点を奪うチャンスがあった。しかし、ラストパスやフィニッシュの精度を欠き、ゴールネットを揺らすことができず。日本代表の勢いに押されたタイが平常心を失って安易なミスを犯していただけに、前半を1点のリードで折り返したのはむしろもったいなかった。決定的なチャンスをしっかり決めていれば、2点差、3点差をつけて相手の闘争心を奪うことも可能だった。

1点差で折り返したことが、後半にどう響くか──。日本代表はキックオフ直後から飛ばしていたので、この点差のまま試合が進むとどうなるかまったくわからない。追加点を奪えば相当楽になるが、1点差のまま進むとどんどんプレッシャーがかかってくる。こうした印象を抱かざるを得ないのがいまの日本代表で、1点のリードでは安心できない心もとなさがある。

実際、後半の日本代表は各選手が必死にプレイしているものの、トラップミスやパスミスがあり、西川が指摘したとおりタイに付け入るスキを与えてしまった。75分に生まれた浅野の追加点がなかったら、違った結果になっていた可能性さえある。80分以降に頻発したペナルティエリア内外でのミスを目の当たりにしたいま思うのは、もし2点差をつけていなかったら危なかったということである(リードを広げたことによる気持ちの緩み、集中力の欠如だったとしたら、それはそれで大きな問題である)。

タイ戦での日本代表は、2点をリードした80分過ぎにペナルティエリア内外でミスを連発した。81分に酒井宏樹がトラップミスしてボールを相手に渡し、同じ81分には吉田麻也が自陣の深い場所からパスをつなごうとしてミスし、またも相手へボールを譲った。さらに、83分には、ルーズボールの対応を誤った酒井高徳のミスをカバーしようと飛び出したGK西川がペナルティエリア外で相手選手を倒してFKを与えてしまう。西川は86分にもGKキックを直接相手に渡してしまうプレイがあり、この流れからFKを与えてピンチを迎えている。

「試合の最後にもう少し落ち着くということが必要だった。パスをつなごうとしてミスになったり、相手に当たってコースが変わるというプレイが続いていた。(パスを)つなげる場面でも、一度プレイを切るためにあえてクリアするという判断が必要だった。チームとしてメリハリをつけて、しっかりと勝ちにいかないといけない」(西川)

幸い、タイ戦で失点することはなかった。しかし、残り10分は捨て身の攻撃を仕掛けてきた相手に押され、不安定な戦いを見せた。チームにはW杯を経験済みで国際経験が豊富な選手がズラッと揃っているのに、チームとしての安定感、落ち着きがなく、この日も足元がおぼつかない戦いをしてしまった。

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最終更新:9/7(水) 16:30

theWORLD(ザ・ワールド)

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