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脚を組むのは体に悪いか

ウォール・ストリート・ジャーナル 9月7日(水)9時57分配信

 長時間座っていると体に悪く、がんや糖尿病から心疾患まで数十の慢性的症状のリスクが高まることが、調査で示されている。だが座っている時に脚を組むと問題は増幅するのだろうか。リオ五輪で水球米国代表のチームドクターを務めたニューヨーク大学ランゴーン医療センターの整骨医ナレシュ・C・ラオ氏が、いくつかの通説を打ち消し、脚を組むことが体全体に及ぼす影響を説明する。

通説と現実

 脚を組んで座ることが静脈瘤(りゅう)につながるという話はよく聞く。ただ、相関関係を証明した研究は見たことがないというラオ氏は「静脈瘤は遺伝する傾向があり、加齢や肥満によって引き起こされる」と話す。既に高血圧症の人は長時間座っていることと血圧上昇の間に関係がある。「しかし、脚を組んで座っても高血圧症にはつながらない」という。

 それでも、脚を組んだ姿勢は「人間工学的にみて、骨盤によくない」とラオ氏は話す。上の膝が下の膝を圧迫するほか、骨盤がゆがんで引っ張られるためだ。膝は不自然にねじれ、腰は丸くなってわずかにねじれるという。脚を組み替えるとだいぶ違うという説をラオ氏は信じていない。「背中の痛みが1カ所でなく2カ所になるかもしれない」という。

圧力がかかる場所

 ラオ氏によれば、膝の健康は体幹の強さや背中と腰の機能に関係がある。「膝痛につながるとは言わないが、既に膝が痛い場合は脚を組むことで悪化する」という。

 時間や年月とともに、体が埋め合わせをし、引っ張られるような感覚は第二の天性になる。しかし、ダメージはずっと続いたり、痛みを伴ったりすることがある。ラオ氏は、やせすぎやリンパ系の機能障害など、「ゆがんだ姿勢で座ることから来る慢性的な機能障害をたくさん見てきた」と話す。脚を組んだせいで膝が痛いと訴える人に対しては、まず股関節と下部体幹に対応すべきだとアドバイスしている。理学療法や整骨は、症状を緩和し、先々のダメージを予防するとラオ氏は言う。

座り方

 長時間座っていなければならない人には、ラオ氏は「脚をまっすぐに伸ばし、足を約30センチ前に出して座るか、足が楽に平らになる足載せ台を使う」ことを勧めているという。デスクワークに就いている患者には、55分座ったら5分歩き回るようアドバイスしている。「それでずいぶん違う」からだ。

 ラオ氏自身スタンディングデスクを持っており、できるだけ動き続けるようにしている。「人間の体は動くためにできている。調子が悪いとか、肩が痛かったり膝が痛かったりするのは、体に無理をさせているか、人間工学的に間違った座り方をしているために体の潜在力を最大限に生かせてないかのどちらかだ」

By HEIDI MITCHELL

最終更新:9月7日(水)9時57分

ウォール・ストリート・ジャーナル