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「9月緩和なし」が論理的帰結、画期的な日銀総裁講演-門間前理事

Bloomberg 9月7日(水)10時43分配信

日本銀行前理事の門間一夫氏は、黒田東彦総裁が5日行った講演は「非常に画期的で、これまでにない全く新しいスタンスが明確に出てきた」と指摘した上で、今月の金融政策決定会合では「追加緩和なし」という答えが論理的な帰結だと述べた。

日銀を5月末に退任後、みずほ総合研究所のエグゼグティブエコノミストに就任した門間氏は6日のインタビューで、黒田総裁がマイナス金利政策に「ある種の副作用みたいなものもあるということを、あそこまではっきり言ったのは初めてではないか」と語る。

黒田総裁は、日本は預金残高が貸出残高を大幅に上回り、金融機関の競争が厳しいため、利ざやが低水準であるなど、マイナス金利が「金融機関収益に与える影響が相対的に大きい」と述べた。門間氏は「以前は、欧州はマイナス幅が深いので日本もどんどん深掘りできるというスタンスだったが、国内の事情を勘案し、どういう副作用があるか見なければならないという姿勢に変わった」と分析する。

その上で、黒田総裁が「ここまで大規模な緩和を行っている以上、当然、 追加措置の『コスト』はある」と発言したことが最大のポイントだと指摘。ベネフィットのみを追求する従来の方針から、「今後はコストとベネフィットを比較しながら政策運営するという基本的な考え方を明確にした。ものすごく大きな変化だ」という。

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論理的に9月の緩和はない

日銀は20、21両日の決定会合で総括的な検証を行うとともに、追加緩和に踏み切るのではないか、という見方も根強い。門間氏は「7月時点と比べて今の状況が悪くなっているとは思えない。その時やらなかった量の拡大やマイナス金利の深掘りを、今会合でやるというファンダメンタルズ上の理由はない」と語る。

今後は「より慎重にコストとベネフィットを比較するはずで、なおさら7月よりも9月の方が、量も金利もやることのハードルは上がっている」と指摘。「これまでの日銀の言動や今の経済情勢を論理的につなげると、9月の量や金利の緩和はない」と語る。

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最終更新:9月7日(水)10時43分

Bloomberg