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<1面コラム>一時代の終わり感じた旅館の閉館

伊豆新聞 9月8日(木)14時25分配信

 国の始まりが「大和の国」、島の始まりが「淡路島」…。映画「男はつらいよ」シリーズで、露天商のフーテンの寅が軽妙に客を引きつける口上だが、言葉通り全ての物事には「始まり」があり、また必ず「終わり」もある。その「終わり」を感じる出来事が、8月末に熱海市であった

 ▼一つは、熱海後楽園ホテル・みさき館の閉館。1965年開業で、通算約600万人が宿泊したという。小規模ながら遊園地が併設され、子どもの頃は憧れだった。また円形で畳敷きの大コンベンションホールもあり、ヒーローショーなどで訪れた人も多いのではないか

 ▼もう一つは伊豆山のホテル水葉亭。多彩な湯船を備えた「王朝大浴殿」で知られ、伊豆山だが熱海を代表する施設の一つだった。みさき館が建て替えなのに対し、水葉亭の今後は未定。一つの時代の終わりを感じた

 ▼伊豆ではないが、掛川市のヤマハリゾート「つま恋」も12月25日で営業を終了する-と発表された。数々の伝説をつくった施設で、フォーク世代としては寂しさを禁じ得ない

 ▼このコラムを書いている時、がんで闘病していた同級生(57)の死を伝え聞いた。“短くも太い”生涯だったと信じたいが、命にも「終わり」があると思い知った。

最終更新:9月8日(木)14時25分

伊豆新聞