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控えめに輝く「名医」と「逆さまの勇者」の星座を探してみましょう

THE PAGE 9/9(金) 18:00配信

 頭の真上に輝く夏の大三角。わかりやすいその星の並びは、ほかの星座を探すためのとてもよい目印となっています。今回は、街中から探すのは少し難しいけれど夏の空に大きく輝く星座たちをご紹介します。

【連載】東京で見える星たち

ヘビを持つ男

 夏の大三角のベガとアルタイルを結ぶ線を折れ線とし、折り紙のようにデネブを反対側に折りたたむようにすると、そこに二等星「ラス・アルハゲ」が見つかります。意味は「ヘビを持つ者の頭」。周りの細かな星たちを結ぶと将棋のコマのような大きな星の並びがあります。そこにあるのが「へびつかい座」です。

 星座の絵を見ると、ちゃんとヘビを持った男の姿が描かれていますが、実はそのヘビは「へび座」という別の星座なのです。2つの星座が合体して、へびつかい座だということが感じられます。

 へびつかい座といえば、少し前にはやった13星座占いで登場していたので、名前を聞いたことがある人も多いでしょう。誕生日の12星座は、地球から見た太陽の通り道「黄道」を12等分して決められたものですが、天文学者が決めた星座の境界線では、へびつかい座も黄道にかかっています。そこから、星座境界線に基づく13星座占いが話題となりましたが、残念ながら定着はしませんでした。

 本当は黄道星座の仲間であるへびつかい座、ぜひ見つけてあげてください。

死者を生き返らせる名医

 へびつかい座の星座の絵を見ると、彼の職業は大道芸人にしか見えないかもしれませんが、じつは彼こそがギリシャ神話に登場する凄腕の医師アスクレピオスなのです。

 ギリシャで有名な医師、アスクレピオスのところには、連日多くの患者が訪れました。アスクレピオスは、どんなに忙しくても全ての患者さんに親切丁寧に対応し、どんな病気でも治してしまいます。ある日、アスクレピオスのところに「大切な人が死んでしまいました。どうか先生の力で生き返らせてください」という人が現れました。

 もはや治療の領域を越えているので無理かと思われましたが、アスクレピオスはいとも簡単に死人を生き返らせてしまったのです。その噂が広まり、アスクレピオスのもとに次々と死人が運び込まれるようになりました。そして、全ての死人を生き返らせてしまったのです。

 死者が一人も訪れなくなり困ったのは、あの世の大王プルトーンでした。これはおかしいと思って地上の様子をのぞいてみると、アスクレピオスが死人を生き返らせているではありませんか。そこでプルトーンは大神ゼウスに「生死の定めを変えられてしまっては、この世に乱れが生じます」と訴えました。

 大神ゼウスも「人々を元気にするのはよいが、死んだ人を生き返らせることはやりすぎだ」と判断し、アスクレピオスを雷で射ち殺してしまいました。しかし、名医だったアスクレピオスを惜しむ人々の声が多く、これまでの功績も讃えられたことから、医術の神として天に昇り星座になりました。

 アスクレピオスがなぜヘビを手にしているのかは諸説あります。ある時、ヘビが薬草をくわえながら、死んでしまったヘビのもとに現れ、その薬草をつけたところ、そのヘビが生き返りました。その様子を見ていたアスクレピオスがヘビのくわえていた薬草の効能を学んだことから、古代ギリシャでヘビが健康のシンボルとなっていたと考えられています。

 健康を願う医療のシンボルとなっているヘビ。現在も世界の各地で病院や薬局のマークとして、ヘビが描かれていることがあります。それらを見かけたときは、この物語を思い出してみてください。

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最終更新:9/9(金) 18:00

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