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稼げるモデルの登竜門?ヴィクトリアズ・シークレットの成功のヒミツ

ZUU online 9/8(木) 19:10配信

ミランダ・カーやハイディ・クルムなど、日本でもおなじみのスーパーモデルたちは、あるブランドのランウェイを登竜門にして、今日のトップの地位を築き上げてきた。そのブランドこそ、シックでスリーク、それでいて大人の女性のセックスアピールを、強烈に印象付けるデザインで、女性の心をとらえて離さない米ファッション・ランジェリー企業、ヴィクトリアズ・シークレットだ。

■億単位を稼ぎだすモデルたちを育てたブランド

ヴィクトリアズ・シークレットの看板モデル、ブラジル出身のアドリアナ・リマには、米『フォーブス』誌のモデル長者番付で、堂々世界第2位の年間1050万ドル(約11億円)を稼ぐ。彼女は、ヴィクトリアズ・シークレットの「エンジェル」と呼ばれる特別広告塔であり、その名誉な役目を同ブランド史上、最も長く17年務めている。さらに、今年のモデル長者番付においては、全体の約3割が同ブランドでエンジェルとして、活躍しているモデルだった。

なぜ、スーパーモデルを多数輩出できるのか。何が人気を支えているのか。そして、どれほど勢いのある企業なのか、その「シークレット」に迫ってみよう。

■セックスシンボルに憧れる男性が最初のお客様?

ヴィクトリアズ・シークレット、通称VSは、米国発のファッションブランドであり、女性用アパレルやランジェリー、パフュームなどを、1000店以上のショッピングモールの店舗で扱っている。ヴィクトリアズ・シークレット店舗における2015年度の年商は、約11億ドル(約1144億円)と、前年比1.28%の増加だった。

親会社は、世界でアパレル売上第4位のLbrands社だ。ヴィクトリアズ・シークレットの他に、低めの価格設定でティーン向け姉妹ブランドPINKなどを展開している。PINKとヴィクトリアズ・シークレットは、モールで隣同士に店舗を構えるか、PINKコーナーが店舗内に設けられるなどセットで展開することが多い。ヴィクトリアズ・シークレットに、あこがれを持つティーンをPINKでつかみ、彼女らがPINKを卒業して成人になる頃、ヴィクトリアズ・シークレットに引き込む。その戦略はみごとに成功している。

およそ40年前に創業した同ブランドは、2014年に日本に初進出を果たしたほか、カナダやメキシコなど南北アメリカ大陸、中国、タイ、マレーシアなどアジア圏、英国やアイルランドなどユーロ圏などに展開している。中東のイスラム諸国の女性さえ虜にし、文字通りの女性向け国際ブランドに成長した。

だが驚くべきことに、同ブランドが創業初期に、ターゲットにしていた顧客は、ランジェリー実際に着用する女性ではない。妻やガールフレンド向けに、下着をカタログ購入する男性だったのである。この路線は1980年代初頭に破綻し、経営陣が変わったのを期に、ターゲットを女性にシフトした。カタログ通販からモール販売へと舵を切り、大成長するに至ったのである。

■非日常の劇場型演出とモデルたち

現在のヴィクトリアズ・シークレットといえば、毎年恒例になった、世界190カ国以上で放映され、高視聴率を叩き出す「ヴィクトリアズ・シークレット・ファッションショー」だろう。主役は、おなじみのエンジェル・モデルたちと、頭角をあらわし始めた若きPINKモデルたちだ。ちなみに、あのミランダ・カーも、PINKモデル出身である。このショーと2つのブランドモデルは三極は互いに深い関係があり、ブランドイメージを向上させる起爆剤となっている。

ランジェリー姿のエンジェルたちが、天使の羽をまとい、セレーナ・ゴメスやテイラー・スウィフトなど、旬のミュージシャンの生歌に合わせて、ランウェイを歩く。さまざまな表情でを見せる様は、非日常の極致ともいうべきもので、高い評価を受けている。この非日常性こそ、ヴィクトリアズ・シークレットのランジェリーを身につける、女性たちが夢見る世界であり、マーケティングの核心とも呼ぶべきものだ。

■10億超えの「ファンタジー・ブラ」はモデルたちの栄誉

モデルたちは、「理想の体型」をしており、女性たちは同ブランドのランジェリーや服を着ることで、美しいエンジェルやPINKモデルを、自身の身体に投影できる。加えて、モデルたちの体型も、決して細すぎるわけではない。食生活に気を使っているのはもちろんのことだが、特筆すべきは彼女たちのトレーニングだ。ショーの前だけでなく日常的に、アスリート顔負けのトレーニングをして、筋肉質でしなやかな体型を維持しているのだ。

モデルがまとう下着は、高級感があふれているが、身近なショッピングモールで購入可能なので、女性たちの購買意欲をそそる。ショーの開催時期も、ホリデー・ショッピングのピークである、11月下旬から12月上旬と、戦略的に設定されている。

また、時に機能性から離れるのも、同ブランドの戦略だ。特に、宝石を散りばめた「ファンタジー・ブラ」は、まさに豪華な「アート」だ。これを身につけられるモデルは、選ばれた時に涙することもある栄誉なのだ。観客の中でも、毎年「今年はどんなものが飛び出すのか」と話題になる。2000年のショーでは、1500万ドル(2000年当時1ドル107円なので、約16億円)という、気の遠くなるような金額のブラが登場した。イベントには毎年15億円近い経費がかかるが、売り上げや放映権料が伸びて「5倍(の75億円)になって返ってくる」と、同社CEOのシャレン・ターニー氏は言う。

スポンサーも、宝飾ブランドのスワロフスキー、化粧品や健康食品の富士フイルム <4901> など豪華そのもの。話題性があるため、広告料は十分ペイするのだという。

このほかにも、世界各国の店舗にエンジェルを登場させるなど、若い女性向けアパレル競合のアメリカン・イーグルなどがマネのできない芸当で、独り勝ちをしてきた。

ヴィクトリアズ・シークレットの「シークレット」、それはライバル企業とはスケールが違う「非日常性の創造」にありそうだ。(ZUU online編集部)

最終更新:9/8(木) 19:10

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4253円、前日比-2円 - 12/8(木) 13:51

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