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協会の思惑も後押し “ハリル解任論”タイ戦勝利でも消えず

日刊ゲンダイDIGITAL 9月8日(木)9時26分配信

 結論から言うと「FIFA世界ランキング通りの結果」となった。6日にタイ・バンコクで行われたロシアW杯アジア最終予選のタイ代表(120位)と日本代表(49位)との試合である。

 試合はランク上位の日本のワンサイドゲームだった。日本はFWの原口元気(25=ヘルタ)が前半18分に先制点、後半30分にFW浅野拓磨(21=シュツットガルト)が貴重な追加点を奪うと、タイのシュートをわずか1本に封じ込め、順当勝ちで勝ち点3をゲットした。

「タイは下馬評よりも弱かった。タイのメッシと呼ばれるドリブラーのMFチャナティップ、スペイン1部でプレー経験のあるFWティーラシンは個人で局面を打開できず、かといってチーム全体が連係しながら攻めていくシーンもなかった」(現地取材の元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏)

 今後、日本は10月6日に埼スタでイラクと戦った後、同11日にグループB組首位のオーストラリアと敵地で戦い、11月15日には埼スタでサウジアラビアと対戦する。

「現状では、強豪3カ国を相手に楽に勝てるようなチーム状況にはない。選手選考、起用法などチームを立て直す必要があるでしょう」(六川氏)

■ハリル氏を招聘したのは原博実氏

 それよりも、ハリルホジッチ監督の能力に疑問符がつきまとい、選手の間からも「ハリルのままでは取り返しのつかないことにならないか」と懐疑的な声が出始めているという。

 たとえばタイ戦に先発し、ゴールを決めた左FW原口の起用法。このポジションのレギュラー格・MF清武弘嗣(26=セビリア)のコンディション不良でタイ戦先発のチャンスが巡ってきたが、1日の最終予選初戦のUAE戦ではハリルホジッチ監督が原口をデタラメ起用し、それもあって1―2で敗れた。

 UAE戦の後半9分に1―2とリードされるとハリル監督はFW宇佐美、FW浅野を投入。FW本田とともに前線に並べ、30分にはボランチのMF大島をベンチに下げてFW原口を送り出した。FWが本職の原口はDFラインの前で守備に心を配るハズもなく、何度も何度も攻撃参加しては相手ゴール前で“日本人アタッカー陣の大渋滞”を巻き起こし、かえって攻撃が手詰まりになった。

 ハリル監督は15年6月、W杯2次予選初戦のシンガポール戦でも、同じように後半途中からボランチに原口を置き、その原口が慣れないポジションで好き勝手に動いて日本は攻撃スペースがなくなり、結果的にゴールが遠のいてしまった。最終的に日本はシュートを23本放ちながら決定機を生かせず、屈辱的なスコアレスドローに終わった。

「ハリル監督は身長183センチで立ち姿はカッコいいし弁も立つので、有能なカリスマ指揮官のように見える。しかしながら選手選考、起用法、采配は“二線級”の感が否めません」(サッカージャーナリスト)

 タイ戦の当日、「ハリル辞任危機」「ハリル背水」と報じられたハリルホジッチ監督はタイ戦の勝利にホッとしたのか、試合後の会見で「もっと点が取れたと思うが、勝ててよかった」と上機嫌だった。

「ハリル監督は知らないでしょうが、日本サッカー協会内の覇権争いのゴタゴタが、ハリル解任を後押ししている」と日本サッカー協会事情に詳しいマスコミ関係者がこう続ける。

「日本サッカー協会は今年1月、初の会長選挙を実施して田嶋幸三副会長(当時)が、原博実専務理事(当時)を破って第14代会長に就任。すると原専務理事を2階級下の平理事に降格させ、原専務理事は不快感もあらわわにJリーグに転籍して副理事長に収まった。その原専務理事はザッケローニ元代表監督、アギーレ前代表監督、そしてハリル氏を招聘した責任者。政敵だった原Jリーグ副理事長の息の掛かったハリル監督には、一刻も早くお引き取りを願いたいと田嶋会長は考えているのです」

 タイ戦勝利でクビがつながったハリルホジッチ監督だが、置かれている立場は非常に危うい――。

最終更新:9月8日(木)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL

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