ここから本文です

来年度に送電網着工 阿武隈・沿岸部風力発電

福島民報 9/8(木) 9:40配信

 国や福島県、電力会社などでつくる「福島新エネ社会構想実現会議」は7日、福島市内で会合を開き、東京電力福島第一原発事故で被災した県内を新エネルギー活用の先駆けの地とする福島新エネ社会構想を決定した。福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想に位置付けられる県の福島阿武隈・福島沿岸部風力発電構想の送電網整備を盛り込んだ。
 県は福島沿岸部風力発電構想(仮称)として南相馬、浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉、広野の7市町、福島阿武隈風力発電構想(仮称)として7市町にいわき、田村、川内、葛尾の4市村を加えた計11市町村の丘陵地域などで国内最大級となる風力発電の実現を目指している。だが、阿武隈山系では送電網の整備が進んでおらず、事業者参入の障壁となっている。
 風力・太陽光発電に参入する民間の発電事業者と東京電力、東北電力などは年内にも送電線の整備、管理・運営を担う新会社をつくる。送電網整備の財源には経済産業省が29年度予算概算要求に計上した100億円を見込んでいる。新エネの発電事業者にとって負担となる設備投資費用を補助し、新規参入と産業集積、被災地域の雇用創出を促す。県は10月にも送電ルートの敷設調査に着手し、新会社が平成29年度に着工する。
 送電網は風力や太陽光など各種新エネの共同送電線とする。浜通りと阿武隈山地の計4エリアにある各発電施設と富岡町の東京電力新福島変電所をつなぐ。生産した電気は県内で使うほか、一部を首都圏などに供給する。東京五輪・パラリンピックが開催される32年までの一部送電開始を目指す。
 送電線の総延長は100キロ程度となる見通しで、大部分は道路の地下に埋設する。このうち東京電力福島第二原発と新福島変電所を結んだ既存の送電線はそのまま利用できる見込み。
 県は県内で使われるエネルギー量に占める再生可能エネルギーの割合を平成52年までに100%に引き上げる目標を設定。風力発電の両構想を巡っては現在、発電に適した場所を見極める調査を進めている。
 両構想の環境影響評価段階での最大出力は計1225メガワットで、原発1基分に相当する。ただ、詳細な立地状況などは考慮されておらず、県は実際の最大出力は想定より縮小するとみている。
 県は福島阿武隈風力発電構想の事業者を28年度末に選定する方針だが、福島沿岸部風力発電構想の事業者選定のめどは現時点で立っていない。

福島民報社

最終更新:9/8(木) 9:56

福島民報