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マリー撃破で錦織が全米4強 勝因は驚異の“メンタル制御”

日刊ゲンダイDIGITAL 9月8日(木)13時54分配信

 激闘の3時間58分だった。

 テニスの全米オープンは7日(日本時間8日)、男子シングルス準々決勝を行い、世界ランキング7位で第6シードの錦織圭(26)が、同2位で第2シードのアンディ・マリー(29)を1-6、6-4、4-6、6-1、7-5のフルセットの末に撃破。準優勝した14年以来、2年ぶりの4強入りを決めた。

 直近の対戦ではリオ五輪準決勝で敗れるなど、これまで1勝7敗と苦手にしていた相手を14年のATPツアー・ファイナルで倒して以来、2年ぶりの雪辱を果たした。

 リオ五輪で金メダルを獲得したマリーは現在、ジョコビッチ(同1位)以上の安定感で「世界最強」ともいわれる難敵だ。錦織は勝負が決まる第5セット、いきなりブレークに成功し2ゲームを連取するが、第4ゲームでブレークされる。その後は一進一退の攻防が続き、第8ゲームでこのセット2度目のブレークを許すと、続く第9ゲームもキープされ、4-5とリードされる。流れはマリーに傾きかけた。しかし、ここから錦織は怒涛の巻き返しを見せる。

 第10ゲームをラブゲームでキープ。続く第11ゲームは30-30から相手のダブルフォールトでリードを奪い、最後は前進してきたマリーの頭上を越すボレーを落とす。マリーがラケットをネットに叩きつけるほどの絶妙なショットでブレークに成功した。

 最後の第12ゲームは錦織のサービスゲーム。一気にたたみ掛けようと焦りが出たのか、いきなりダブルフォールト。それでもラリーからのリターンをマリーがことごとくミスし、最後も深い位置からのリターンがネットにかかって、錦織は4時間近い激闘を制した。

■雨天中断とメンタルコントロール

 テニスジャーナリストの塚越亘氏は勝因をこう分析する。

「ひとつは、第2セットの雨による中断が大きい。錦織は一方的な展開で第1セットを落とし、焦りや、プレーに迷いが生じていた頃に、やや強い雨が降ってきたことで会場の屋根を閉めることになった。コートからロッカールームに引き揚げ、チャン・コーチに助言を受けることができた。戦略を変え、頭と気持ちの整理がついて集中力が増した。逆にマリーは屋根が閉まってから会場内の音にいらついたり集中力を欠くシーンもあった。第4セットはファーストサービスが39%しか入らず、マリーらしくないミスが目立った」

 さらに塚越氏は、「ファイナルセットにメンタルの強さを見た」と言う。

「第5セットの第8ゲーム、40-0から追い上げられて、決まったと思ったボレーがネットを越えずジュースになった。このゲームをブレークされた時、女子シングルスの3回戦で敗退した大坂なおみの試合を思い出した。大坂はボレーミスを機に勝てるゲームを落とした。錦織もズルズル行くかと思ったが、そこは昨年世界ランク4位まで上がった選手です。これまで何度も悔しい思いをしてきた経験が生き、精神面をコントロールできていた」

 つづく第9ゲームはキープされるが、その後の3ゲームを連取して金星を挙げた。決して焦らず、ボレーやドロップショットを多用し、今は世界一の実力者といえるマリーを追いつめた。9日の準決勝は、スタン・ワウリンカ(31=スイス)と対戦する。

▽錦織のコメント
「長かった。出だしはよくなくてミスも多かったけど、冷静にやろうと思った。特に第4、5セットは感覚がすごくよかった。長いラリーもこらえるように心掛けた。(試合再開後は)コーチと話し合って戦術を変えたのがよかった。大好きなグランドスラムで準決勝に残れたのはうれしい」

最終更新:9月8日(木)16時30分

日刊ゲンダイDIGITAL

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