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免税手続きスマホで楽々 会津大がアプリ開発

福島民報 9/8(木) 13:05配信

 免税店や空港などで、わずらわしい免税の書類手続きをスマートフォンをかざすだけで自動的に処理できるアプリケーションの開発を会津大のグループが進めている。今秋に実施する実証実験を経て完成させる。開発に取り組む同大の藤井靖史准教授(39)は「世界の免税システムの問題点を解決するIT技術。会津大発のサービスとして世界に広まってほしい」と期待を膨らませる。
 免税サービスは海外からの観光客増に欠かせないが、免税店で購入する際には、氏名や国籍、パスポートの番号、在留資格、上陸年月日などの個人情報を購入記録票に記入した上で、署名入りの購入者誓約書を作らなければならない。さらに空港では出国時のチェック、帰国後には還付金の受け取りの手続きと、免税の利益を受けるには手間と時間がかかる。
 店側も言葉が十分に通じにくい外国人客に書類への記載を説明し、購入品情報を購入記録票に記して精算しなければならないなど取り扱うハードルは高い。会津若松市によると、市内の免税店は4月現在で12店舗だけという。
 会津大グループのアプリ「タックスフリーヘルプ・ブロックチェーン」は免税品購入者が個人情報をアプリに登録したスマホを、アプリを取り込んだ店側のパソコンに近づけると、登録内容がパソコンに移り、購入した記録票と誓約書が印刷できる。サービスを始めるには購入者と免税店両方のアプリの導入が必要だが、従来より簡単に手続きできる。空港などの関係施設も導入すれば、出国時の免税手続きや還付金を受ける際の手続きもスマホをかざすだけで済むようになるという。
 個人情報の安全性は銀行などが取り入れている「ブロックチェーン」という方法で確保する。ネットワークで結んだ複数のコンピューターが共同で記録を管理。東京大や都内のIT企業と連携して技術開発し、安全性を高める。
 会津大グループは藤井准教授と、会津大4年の五十嵐太清さん(21)、坂口勇太さん(22)、鍛哲史さん(21)の計4人。6月に免税コーナーを設けている会津若松市内の漆器店の社長から作業が煩雑だと改善策を相談され、開発を始めた。アプリの基本部分は既に完成し、ブロックチェーンを使った実証実験を11月に会津地方で行う。
 藤井准教授は将来的にネットワークを通してのアプリ販売を検討する。買い物客や免税店だけでなく空港での採用も働き掛ける。「会津の免税店の課題から始まった新サービスが免税の世界的な問題を克服してくれると示したい。日本の観光を盛り上げる一端になれば」と意気込んでいる。

福島民報社

最終更新:9/8(木) 13:07

福島民報