ここから本文です

【ニエル賞】「マカヒキの勝算」をフランス競馬を熟知する調教師に聞く

東スポWeb 9月8日(木)21時41分配信

 中央競馬では今週末10日から秋競馬がスタート。GIシリーズに向けて徐々に盛り上がりを見せるが、11日はフランス競馬も必見。GI凱旋門賞(10月2日=シャンティイ競馬場・芝2400メートル)に挑戦する日本のダービー馬マカヒキが、本番と同じコースで行われる3歳馬のステップGIIニエル賞に出走するのだ。海外馬券発売第1弾となる凱旋門賞のプレファイトとも言えるこの競走。果たして、日本代表の3歳馬はどんなパフォーマンスを見せるのか? “ゆかり”のあるJRA調教師2人にレース&コースの特徴、マカヒキの勝算について聞いた。

 今年、フランス・シャンティイ競馬場で世界を驚がくさせる走りを見せたのがエイシンヒカリだ。5月24日のGIイスパーン賞(芝1800メートル)で10馬身差の圧勝。その走りが高く評価されワールドベストホースランキングで1位に輝いた。続く英GIプリンスオブウェールズS(アスコット競馬場・芝2000メートル)で6頭立て最下位に終わった対照的なレースぶりを含め、同馬を管理する坂口調教師は、シャンティイが日本馬向きであることを力説する。

「(惨敗した)アスコットは並の日本馬ではまず勝てないコース。起伏がすごくて高低差がビル5階分ぐらいある(実際は約20メートル)。確かに今年は馬場が悪かったのも影響したかもしれないけど、エイシンヒカリが負けたのはそれ以前の問題。ああいうコースは日本にはないし、あそこでいきなり勝ち負けするのは相当厳しい。それに比べるとシャンティイはまだ日本に近い。アスコットほど起伏も激しくないし、芝も生え揃って競馬がしやすかった。日本馬にとって対応しやすいコースと言えるね」

 ではマカヒキは勝ち負けを演じることができるのか?「もちろん。あっさり勝ってしまう可能性もあると思う。頭数も多くないだろうし、それほど強い馬も出てこないんでしょ? 日本馬が世界レベルの強さを持っているのは誰もが知っていること。シャンティイのコースなら普通の状態で出てくれば、いい勝負になるんじゃないかな」

 一方、シャンティイ開催ではなかったものの、2013年に実際にニエル賞(ロンシャン)を勝ったキズナ陣営の見立ては少々色が違う。

「キズナが使っていた調教場からすぐ近くだからシャンティイ競馬場には何度も行ったよ。その時に思ったのはロンシャンより器用さがいるコースだなということだった」と語るのは管理した佐々木調教師だ。「向正面で幅員がすごく広くなったと思ったら、また狭くなったりして、なかなかトリッキー。4コーナーのカーブも直角に近くて、前につけられる馬じゃないと厳しいと思った」

 もし、キズナがその後も無事で凱旋門賞挑戦を続けていても、シャンティイ開催の今年は「おそらく行かなかったと思う」という。

 それでも、マカヒキの勝ち負けに関しては「まあ、勝つだろうね」と“V予告”をする点は坂口師と同じ。「ニエル賞は毎年頭数が少ないし、たとえ外を回ったとしても届く。日本の馬は年々強くなっているうえに、今年の3歳馬はさらにレベルが高い。そのハイレベルの世代のダービー馬がいくんだから普通に勝ってしまうだろう」

 むしろ、佐々木師が重要視するのが結果以上に内容。「キズナの時は(年上の有力馬)オルフェーヴルがいたから、ニエル賞を勝ってもそこまでマークされなかったけど、もしマカヒキが圧倒的な勝ち方をするようだと本番では厳しくマークされる。おそらくルメールのことだから、そのへんも考えて乗ると思うけど。ニエル賞と本番で乗り方をガラッと変えてくる可能性もあると思う」

 果たして、フランス生まれのJRAジョッキー・ルメールが、勝手知ったる“地元”でどんなマジックを見せてくれるのか。とにもかくにも、フランスで結果を出した2人の調教師から“お墨付き”を与えられたマカヒキ。11日の深夜はその競馬に、熱視線を送ろう。

☆ニエル賞=凱旋門賞の3週前に行われる3歳牡牝による前哨戦。3歳馬は本番では軽い斤量で出走できるため、ここから凱旋門賞を制する馬も多く、2006年にディープインパクトを破り、凱旋門賞Vを決めたレイルリンクも同年のこのレースを勝っていた。過去に日本馬は3頭が挑戦、10年はヴィクトワールピサが7頭立て4着、11年はナカヤマナイトが6頭立て6着に敗れたが、13年キズナは英ダービー馬ルーラーオブザワールドとの叩き合いを制しV(10頭立て)。本番でも4着と見せ場をつくった。

最終更新:9月8日(木)21時41分

東スポWeb

スポーツナビ 競馬情報

重賞ピックアップ