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ECB、資産購入プログラム変更の可能性を検討 期間延長は見送り

ロイター 9月8日(木)23時18分配信

[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は8日に開いた理事会で月間800億ユーロの資産買入について2017年3月まで続けることを決定したが、期間の延長は見送った。ただドラギ総裁は理事会後の記者会見で資産買い入れの円滑な実施を確実にするための選択肢を検討するよう指示したことを表明。ECBの次の動きのカギになる可能性がある。

ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、「理事会は当該委員会に対し、買い入れプログラムの円滑な実施を確実にするための選択肢を検討するよう指示した」と述べ、資産買い入れプログラムの変更の可能性についてECB内部で意見をとりまとめることを決定したことを明らかにした。

ドラギ総裁は具体的な検討事項については明らかにしなかったものの、総裁が2015年10月に類似の表現を使ってから6週間後にECBは緩和策を打ち出しているため、今回の発言がECBの次の動きに対する手掛かりとなる可能性がある。

INGのエコノミスト、カーステン・ブレセスキ氏はドラギ総裁のこの発言について、「ECBが10月の理事会で買い入れプログラムのテクニカルな変更を決定することを明確に示唆している」と指摘。「こうしたことは買い入れ期限を2017年3月以降に延長することの前提条件となる」と述べた。

ノルデアも「ECBは買い入れプログラムの少なくとも6カ月間の延長を12月に決定する」との見方を示した。

<現時点で行動起こす必要ない>

ECBは今回の理事会で主要政策金利であるリファイナンス金利を0.00%に据え置くことを決定。上限金利の限界貸出金利と下限金利の中銀預金金利もそれぞれ0.25%、マイナス0.40%に据え置いた。

また、この日に公表したスタッフ予想でECBは2017年の成長率とインフレ率見通しを若干引き下げ、インフレ率は2018年を通して目標を下回る状態が続くとの見通しを示した。

ドラギ総裁は記者会見でユーロ圏経済に対する下方リスクについて警告し、なかでも英国による欧州連合(EU)離脱決定の影響によるリスクについて指摘。

ただ「現時点では(見通しの)変更は何か行動を起こさなければならないことを正当化するほど大きくない。われわれの金融政策は効果を発揮している」と述べ、現時点で行動を起こす必要はないと見ていることを表明した。

また、量的緩和プログラムをいつ延長する可能性があるのかとの質問に対し「景気評価や広範なマクロ経済予測を話し合ったが、ほかのことは討議しなかった」と述べ、資産買い入れプログラムの期間延長について討議しなかったことも明らかにした。

<追加緩和の可能性>

ただドラギ総裁は「ECBは正当化されれば責務の範囲内であらゆる手段を用いて行動する」と述べ、インフレ見通しにより正当化されれば躊躇なく行動を取る用意があることを表明。

考えられる選択肢としては、マイナス0.40%としている中銀預金金利を利回りが下回っている債券や償還期限がより長い債券も買い入れ対象に加えることのほか、特定債券の買い入れ上限引き上げなどが挙げられる。ECBがより大胆な変更に踏み切る場合は、不良債権や株式などを買い入れ対象に含めることも考えられる。

ドラギ総裁はこのほか、各国政府による構造改革推進の必要性についてこれまでと同様に強い口調で主張。「財政政策も景気回復を支援する必要がある」とし、生産性の向上、企業の事業環境の改善、インフラ整備などに向け各国政府は一段と努力する必要があるとの立場を示した。

*内容を追加しました。

最終更新:9月9日(金)3時8分

ロイター