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コレ1枚で分かる「人工知能の飛躍的な進化を支える3つの理由」

ITmedia エンタープライズ 9月8日(木)17時9分配信

●ダートマス会議で掲げられた“理想”の実現は間近?

 1956年、米国のダートマスに研究者たちが集まり、「やがて人間の知能は機械でシミュレーションできるようになる」との考えを提唱、これを“Artificial Intelligence(人工知能)”と名付けました。人工知能は、この理想を実現できないまま、幾度かの挫折を経て現在に至っています。

【画像】人工知能の飛躍的な進化をとげた理由とは

 しかし、ここ数年「この理想は実現できるのではないか」との期待が急速に膨らみはじめています。その背景には、「アルゴリズムの革新」「計算能力の飛躍的向上」「ビッグデータの利用」があります。

・アルゴリズムの革新

 かつて人工知能は、膨大な知識やルールを人間が全て教える必要がありました。人間が教えるための知識を集め、ルールを記述しなくてはなりませんでした。教えるべき知識は膨大です。そのため、このやり方はやがて限界に突き当たりました。そしてこの限界を突破するやり方が登場しました。それが、コンピュータが大量のデータから勝手に知識を整理しルールを見つけ出してくれる「機械学習」です。

 機械学習の中でも昨今特に注目されているのが、「ディープラーニング(Deep Learning:深層学習)」です。この技術は、脳科学の研究成果を踏まえ、人間が脳の中で行っている学習の仕組みを参考に作られた機械学習のアルゴリズム(計算や問題を解決するための手順や方式)です。

 ディープラーニング以前は、ものごとを分類するためのやり方や着眼点(特徴量)を人間が与え、大量のデータからその特徴量に従って分類するやり方が使われていました。しかし、ディープラーニングは、その特徴量を大量のデータから自ら見つけ出すことができるようになり、画像認識や音声認識といった特定の知的作業では人間の能力をしのぐまでになっています。囲碁の世界チャンピオンに勝った人工知能「Alpha Go」も、この技術を応用したものです。

 この技術の登場により、人工知能は実用レベルが高まり、適用の幅、可能性が大きく広がっています。

・計算能力の飛躍的向上やビッグデータの利用が支える

 コンピュータの計算能力が飛躍的に向上したことで、大量のデータを高速で処理することが可能になりました。機械学習は、知識やルールの元となるデータが大量であるほど、能力を発揮します。そのためには、大量のデータを高速かつ効率よく処理する計算能力が必要です。その能力が、機械学習の実用化を可能にするほど十分なレベルに達しつつあります。

 特にGPU(Graphic Processing Unit)の性能向上は、機械学習の実用化に大きく貢献しています。GPUとは、もともと画像処理のために開発された専用プロセッサ(コンピュータにおいて計算を実行する中核的な装置)でした。その特徴である「大規模並列処理(同時に複数の計算処理を行うこと)」能力の高さがディープラーニングなどの機械学習に適していることから、この分野で広く使われるようになり、今では機械学習に特化した機能なども加えられ、性能をさらに進化させています。

・ビッグデータの利用

 1990年代の初めごろから使われはじめたインターネットにより、世界中がネットワークでつながる時代を迎えました。このインターネットを土台にして、Webサイトが広く公開されるようになり、世界規模でさまざまな情報が発信されるようになったのです。

 さらに、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア、スマートフォンやウェアラブルなどの普及により、データを生み出す仕組みが急拡大します。そして、モノにセンサーや通信機能が組み込まれインターネットにデータを送り出す仕組みであるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)が広がりを見せ始める中、大量のデータ(Big Data:ビッグデータ)を集めやすい環境が整いつつあります。

 先に述べたように機械学習はデータが大量であればあるほど、性能を高めていきます。ビッグデータによって、そのデータが集めやすい状況となったのです。ソーシャルメディア、スマートフォンやウェアラブル、IoTなどに加え、データを生み出す仕組みは今後もますます拡大してくことが予想され、その中で機械学習はさらに能力を高めていくでしょう。

 一方、データが大量に集まるようになったからこそ、これまでのアルゴリズムだけでは、データにどのような規則性や相互関係があるかを見つけることが難しくなったという面もあります。それを見つけ出す手段としても、機械学習は期待されています。

 現時点では「ダートマスで掲げられた理想が実現された」と言い切れるほど人工知能が進化したとはいえませんが、「アルゴリズムの革新」「計算能力の飛躍的向上」「ビッグデータの利用」といったIT環境のおかげで確実にその能力を高めつつあります。画像処理や音声認識といった特定の知的能力においては、人工知能は既に人間の能力を超えるほどの性能を見せ、実用化への取り組みも急速に拡大を見せています。

最終更新:9月8日(木)17時9分

ITmedia エンタープライズ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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