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新日鉄住金ステンレス、店売りニッケル系冷薄値上げ。アロイ価格上昇で9月も5000円

鉄鋼新聞 9月8日(木)6時0分配信

 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は、店売り向けニッケル系冷延薄板の9月契約販価を5千円値上げする。独自のアロイリンク方式に基づくアロイ価格の上昇を反映する。値上げは2カ月連続で合計の上げ幅は1万円になる。ヒモ付き中心に国内需要が堅調で、光、鹿島製造所の薄板工場は引き続きフル操業を継続する見通し。

 アロイ価格の前提となる原料価格指標(7、8月平均)はLMEニッケル価格がポンド当たり4・68ドルで前期比0・33ドル高、フェロクロム価格が1・06ドルで同0・08ドル高、為替が1ドル=103・66円で同2・07円高。計算式でアロイ価格はわずかに1万円上げに届かず、5千円上げとなった。
 店売りニッケル冷薄の値上げが連続するのは2014年4~6月の3カ月連続以来。足元の合金原料価格を基にすれば、10月契約は据置きとなりそう。日新製鋼、日本冶金工業も店売り値上げに踏み切っており、市中では仕入れ値の上昇分を販価に転嫁しようとする動きが今後広がりそうだ。
 国内需要はヒモ付き中心に底堅く、需要期である下期に向けて今後も堅調が見込まれる。市中では建材関係や店売り関係の動きが振るわず、中小ユーザー向けもいまひとつだが、緩やかな増勢を期待する声が多い。
 東アジア市況は上昇したが「汎用品市況は当社が手を伸ばせる水準ではない」(薄板営業部)。それでも薄板ミルはフル操業状態で「用途に応じた機能に対する付加価値を認めていただけるお客様との関係をより密にしていきたい」(同)とする。アロイリンク方式で値決めしていないユーザーに対してもすでに値上げを要請し、この浸透も始まっている。
Cr系冷薄も5000円値上げ
 新日鉄住金ステンレスは、店売り向けクロム系冷延薄板の9月契約販価を5千円値上げする。独自のアロイリンク方式に基づくアロイ価格の上昇を反映する。6月契約で1万円値上げを公表しており、これとの合計は1万5千円。
 7~9月積みのクロム価格(高炭素フェロクロム、純分ベース)はポンド当たり1・06ドルと4~6月積み比0・16ドル上昇。8月店売り契約の原料価格指標は6、7月平均を基にしたためクロム価格上昇幅の半分のみ反映していた。9月契約では7、8月平均を基にするため全て反映する。
厚中板も5000円上げ
 新日鉄住金ステンレスは、ニッケル系ステンレス厚中板の9月店売り契約販価を5千円値上げする。値上げは2カ月連続で合計は1万円。国内造船向けや国内外のIT関連向けなどに支えられ、八幡製造所はほぼフル操業状態が続く見通し。
 国内需要は造船、水門、真空チャンバー関連などが堅調。海外市場では真空チャンバー関連を中心に一定レベルの引き合いが続いている。二相鋼関係の一部物件が先延ばしになり、八幡製造所はフル操業ではないが、高い水準を維持している。
 二相鋼ではダム・水門・陸閘門(防潮堤の出入り口)などで高耐食性、耐衝撃性、高強度などの特性が評価され採用が増えており、国土強靭化に呼応して拡販を図っていく。

最終更新:9月8日(木)6時0分

鉄鋼新聞