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メルケル大敗、ドイツ政界波乱の兆し

ニュースソクラ 9/8(木) 12:20配信

伝統的な2大政党制に変化の足音

 ドイツのメクレンブルク=フォアポンメルン州(Mecklenburg-Vorpommern)で4日に実施された州議会選挙で、メルケル首相の率いるドイツキリスト教民主同盟(CDU)が大敗した。新進の右派ポピュリスト政党ドイツのための選択肢(AfD)を得票率で下回った。

 今回のCDUの大敗は、メルケル首相の難民政策への一般市民の不満が、最大の要因となっている。2015年夏以来、同首相は、シリア、イラク、アフガニスタン、パキスタンをはじめとする中東紛争からの難民、それに加えてナイジェリア、北アフリカから流れ込む総計100万人以上にのぼる難民を受け入れるというスタンスをとり続けている。

 一方、移民局登録担当官の不足、ドイツに流入する難民の高い文盲率という状況の下、難民の氏名・出身国等の正確なデータ把握は、思うようにはかどっていない。難民たちは、収容施設になにもすることなく待機状態におかれている。

 2015年大晦日にはケルンで北アフリカからの難民が中心となり女性に対する1000件以上にも上る盗難・暴行事件が起こっている。若い男性の難民による列車での暴行やコンサートでの自爆テロ等、さまざまな犯罪が多発し、治安が非常に不安定になっている。

選挙キャンペーン中のメルケル首相 分裂するCDU/CSU/SPD連合

 メクレンブルク=フォアポンメルン州議会選挙の直前8月30日は、昨年2015年夏に前代未聞の大量の難民をドイツが受け入れる、「Wir schaffen das!英訳するとYes, we can!」(オバマ大統領の言葉を引用し、ドイツ連邦は大量の難民を受け入れても、やってゆける)とメルケル首相が明言してからちょうど1年目にあたる。

 メルケル首相は、この機に夏の記者会見を行い、スピーディーな難民の登録は進んでいるとはいえないが、それでも、現在の制限無しの難民受け入れのスタンスを依然崩さないことを明確に表明した。

 大連合政権を同首相と組んでいるドイツ社会民主党(SPD)とCDUの姉妹政党でバイエルン州に根拠地を置くバイエルン・キリスト教社会同盟( Christlich-Soziale Union in Bayern e.V., 略称CSU)の幹部は州議会選の直前にメルケル首相の距離を置くコメントを出していた。具体的には、難民問題をはじめ、欧州連合(EU)の今後、さらに、大西洋貿易投資パートナーシップ協定(Transatlantic Trade and Investment Partnership、略称:TTIP)についてだ。

 SPDは、TTIPは実現可能性がないとの見方を強くしており、ビジネス関係者は英国のEU離脱についてのEUの方針準備が必須と強調、そして、CSUをはじめとする政治家と一般市民の間からは、難民受け入れ数には上限をもうけ、EU圏国境の警備を厳しくするべきとの声が広がっている。しかし、選挙戦中のメルケル首相は、他の政治家からの同首相の政策への反論には反応しなかった。

 今回のメクレンブルク=フォアポンメルン州はメルケル首相自身が選出されてる選挙区のある地盤。そこでの地滑り的な大敗は、政権を維持できるかどうかに疑問符がつきかねない状況を生み出そうとしている。

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最終更新:9/8(木) 12:20

ニュースソクラ