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変形性膝関節症の患者負担を軽減 川崎医科大付属病院、実績重ねる

山陽新聞デジタル 9月8日(木)10時3分配信

 加齢などが原因で膝関節の軟骨がすり減り、痛みが出る「変形性膝関節症」。ひどくなると、人工関節に置き換える手術が必要になる。川崎医科大付属病院(岡山県倉敷市松島)は、関節の一部だけを換えることで患者の身体、経済的な負担を減らす方式や、県内でも珍しい両膝同時手術を取り入れ、実績を重ねている。

 「膝がうずいて眠れなかった。仕事だけでなく普段の生活にも支障が出ていた」

 倉敷市の建築業男性(71)が、変形性膝関節症の症状で悩んでいた手術前を振り返る。ただ、同病院で5月末に手術を受けてからは「驚くほど良くなった。仕事にも復帰できそう」と喜ぶ。

 男性が受けたのは、膝関節の一部だけを人工関節に換える「部分置換術」と呼ばれる手術。関節全体に及ぶ「全置換術」と比べ傷口が小さくて回復が早く、自分の膝の感覚を残せることからリハビリもスムーズという。金属やセラミックでできた人工関節の材料費が少ない分、手術費が抑えられる利点もある。男性は、両膝同時に手術に臨んだ。

 厚生労働省の推計では変形性膝関節症の潜在的な患者は全国で約3千万人。人工関節への置き換え手術は増加傾向にあり、年間に約8万件に上るとされる。現在は全置換術が主流で、より狭い範囲で緻密な作業が求められる部分置換術は、全体の約1割にとどまるという。

 川崎医科大付属病院整形外科は2010年から、変形性膝関節症患者の人工関節手術を本格的にスタート。年間約200件を実施しており、うち3分の1を部分置換術が占めている。全置換術の際に筋肉や靱帯(じんたい)を損傷しない難手術も昨年から手掛けている。

 同科の難波良文教授は「これからも患者にとって最も負担が少なく、効果のある手術法を提案したい」と話している。

最終更新:9月8日(木)10時14分

山陽新聞デジタル