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倒産発生率調査 2014年度はリーマン・ショック以降最低

東京商工リサーチ 9/8(木) 13:30配信

2014年度 倒産発生率(普通法人)調査

 普通法人の2014年度の全国倒産発生率は0.31%(前年度比0.03ポイント低下)になり、6年連続で前年水準を下回った。2014年度の全国企業倒産(個人企業を含む)が、年度としては24年ぶりに1万件を割り込む低水準にとどまり、倒産発生率もこれを反映する形でリーマン・ショックが起こった2008年度以降では最も低率を示した。

※本調査は、2014年度の都道府県別の倒産発生率(普通法人)をまとめた。倒産発生率は、普通法人倒産件数÷普通法人の申告法人数×100で算出した。分子は東京商工リサーチ調べの個人企業等を除いた普通法人倒産件数とし、分母は2016年公表の国税庁統計法人税表(平成26年度分)に基づく法人数で、小数点第3位を四捨五入した。
 普通法人は、会社等(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、協業組合、特定目的会社、相互会社)、企業組合、医療法人を含む。

倒産発生率、福島が3年連続で最も低い比率
 2014年度の倒産発生率は全国で0.31%(前年度0.34%)と前年度を下回り、都道府県別では28道県で全国水準を下回った。倒産発生率が最も低かったのは福島の0.07%(前年度0.09%)で3年連続。2014年度の福島の倒産件数(個人企業を含む)は、30件(前年度比11.7%減)で6年連続で前年度を下回った。水準としては過去20年間で最少で、リーマン・ショックがあった2008年度(205件)と比べて約7分の1になった。これは、復興工事や原発事故での賠償金などが影響した。

比率が最も高かったのは島根の0.43%
 一方、倒産発生率が最も高かったのは島根の0.43%(前年度0.24%)だった。2014年度の島根の倒産件数(個人企業を含む)は、前年度比64.7%増(34→56件)で年度としては3年ぶりに前年を上回った。前年度が過去20年間で最少だったことで反動が大きくなった。島根の産業別では、小売業(4→12件)や旅館などのサービス業他(5→14件)など個人消費関連で増加した。
 次いで、静岡0.42%(前年度0.49%)、大阪0.41%(同0.43%)、福井0.38%(同0.31%)、高知0.36%(同0.34%)、京都0.36%、石川0.35%、栃木0.34%の順だった。

地区別発生率、最高が近畿 最も低率が東北
 2014年度の地区別では、最も比率が高かったのは近畿の0.37%(前年度0.40%)だった。都道府県別ランキングでも、大阪、京都、滋賀の3府県が高率な10番以内にランクインするなどで比率を押し上げた。
 次いで、関東0.32%(前年度0.36%)、北陸0.31%(同0.35%)、中部0.30%(同0.37%)、四国0.27%(同0.23%)、中国0.26%(同0.28%)、九州0.26%(同0.28%)、北海道0.26%(同0.29%)、東北0.22%(同0.23%)の順になり、全国9地区のうち四国を除いた8地区で前年度を下回った。

産業別発生率、情報通信業が6年連続で最も高率
 産業別の倒産発生率は、ソフトウェア業、出版業、広告制作業などを景気動向に敏感な業種を含む情報通信業が0.54%(前年度0.60%)を示し、6年連続で最も高かった。次いで、卸売業0.53%(同0.56%)、運輸業0.50%(同0.49%)、建設業0.38%(同0.45%)、製造業0.36%(同0.44%)、小売業0.29%(同0.32%)、農・林・漁・鉱業0.26%(同0.21%)、サービス業他0.23%(同0.24%)、不動産業0.10%(同0.10%)、金融・保険業0.08%(同0.14%)の順。

 2014年度の倒産発生率は、リーマン・ショックがあった2008年度を境にして6年連続で低下した。これは、倒産減少に絶大な効果を発揮した「中小企業金融円滑化法」が2013年3月末で終了した後も、金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じていることや、消費税率引き上げに対応して実施された、公共事業の前倒し発注などが影響した。
 このように倒産発生率の低下傾向は一連の政策効果に支えられた面が強く、必ずしも企業の自律的な業績回復によるものでないことに留意する必要がある。

東京商工リサーチ

最終更新:9/8(木) 13:30

東京商工リサーチ