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二戸市教委、東京学芸大との連携強化 小中学生の学力向上へ成果

デーリー東北新聞社 9月8日(木)12時32分配信

 二戸市教委は、教員の指導力や小中学生の学力の向上を目指し、東京学芸大との連携事業を進めている。昨年3月に協定を締結して以降、同大付属小中の視察、付属小中教員を招いた研修会を開くなどして、先進的な授業スタイルを吸収。児童生徒に対しては、市を訪れた学生による合同学習会を開催することで、大学への進学意識や学習意欲の醸成につなげている。

 市教委は、岩手県学習状況調査で市内の小中学生の成績が県内平均を長く下回っていたことから、2011年度に「学力向上プロジェクト」をスタートさせた。これまでも同大への視察や研修は実施してきたが、協定を結んだことで、より連携が深まった。

 同大付属小への派遣は年3回実施し、各校から選ばれた教員が参加。派遣終了後は、所属する各校で報告会を開催するなど、同大が進める子どもたちの主体性を重視した新たな学習モデルの共有を図っている。

 招へい事業では協議の場を設けたりして、授業の在り方を見直してきた。

 その結果、市内各校の教室では、子どもたちに問題について話し合わせ、考えを引き出させる授業が徐々に拡大。県学習定着度状況調査では小中学生がそれぞれ全教科で県内平均と同レベルかそれ以上の成績を出すなど着実に成果が出ている。市教委の筒井裕一学力向上推進監は「教員たちにも主体性が生まれたことで、授業内容の改善が一気に進んだ」と手応えを強調する。

 一方、大学側にとってもメリットは大きい。市教委は訪れる学生に、市内の子どもと触れ合う交流の場を提供。協定は東北で初めてだったことから、東日本大震災の被災地を訪れる防災教育プログラムを開催するなど、災害への理解促進も図っている。

 8月1日から5日間の日程で行われた研修には学生11人が参加。学生たちは「災害時における教育の重要性について考えさせられた」「将来的に東北地方で採用試験を受けることも検討したい」と話すなど、教員としての意識の高揚にもつながっている。

 鳩岡矩雄市教育長は「今後は、(同大の)学生の教育実習の受け入れも視野に、さまざまな可能性を模索しながら、二戸の子どもたちの学力向上を進めたい」と意気込みを語った。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月8日(木)12時32分

デーリー東北新聞社