ここから本文です

台風13号北上「また来るのか」 北奥羽農家らに募る疲弊や不安

デーリー東北新聞社 9月8日(木)12時33分配信

 台風13号や活発化する前線の影響で、8日から9日にかけて大雨が見込まれる北奥羽地方。猛威を振るった台風10号により甚大な被害を受けた地域は7日、災害に注意を強めた。大規模な浸水による打撃を受けた久慈市民や、農作物の被害に苦しむ農業者は、心身共に疲弊している中でさらに大雨をもたらす台風が近づく状況に、怒りや不安を募らせた。

 台風13号は、8日にも温帯低気圧に変わり、その後岩手県などへ接近する。

 青森、盛岡両地方気象台によると、雨は8日夕から9日未明にかけて強まる見込み。予想される青森県内の1時間の最大雨量は、三八上北約40ミリ、下北約30ミリ。岩手県内では、約50ミリの非常に激しい雨が降る恐れがある。陸上の最大瞬間風速は三八上北約30メートル、下北約25メートル。

 特に、台風10号の被災地では、少しの雨でも土砂災害などが発生する恐れがあるため、気象台は、日中の明るいうちに安全な場所へ移動するなど、安全の確保を求めている。

 8月、三つの台風の影響で農作物が大ダメージを受けたゆうき青森農協(本所・東北町)は、大雨に備え、県の示した注意情報を基に作物ごとの予防策を作成。7日は全農家にファクスを送り、注意を呼び掛けた。

 ナガイモの一大産地・東北町では、台風10号の強風により、ツタを巻き付けるネットを支える鉄パイプが倒壊。根に栄養を運ぶツタが切れたため、品質低下は避けられず、農家を悩ませている。

 同町田ノ沢の畑では同日、農家の男性(68)が、殺菌剤を散布して品質低下を少しでも食い止めようと、作業に追われた。男性は「これまでの台風で土が流され、畑への倒木被害もあった。これ以上の大雨は勘弁してほしい」と、やり場のない怒りに声を荒らげた。

 台風9号の強い雨で、収穫真っ最中のコカブが流されてしまった野辺地町。かろうじて残ったものも、過剰な水分にさらされて腐敗が進むなど、出荷は絶望的という。

 栽培する農家の男性(56)は「収穫できないのが何よりも悲しい。泥で畑の後始末が進まないのに、さらに雨が降るとどうにもできない。一体どうすればいいのか」と悔しさをにじませる。

 台風10号で甚大な被害を受けた久慈市は、大雨の予報に警戒を強める。山間部の山根町と山形町では4日昼以降、避難準備情報を継続しているが、8日は雨の状況を見ながら、避難勧告への切り替えも検討する。

 長内川中流で大規模な家屋被害が発生した同市滝地区では、住民が7日も家の中の泥やごみを片付けていた。浸水被害を受けた建設業馬内正博さん(47)は「1週間たってもまだ片付かない。その上、また台風が来るかと思うと心配だ」と不安そうな表情を見せた。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月8日(木)12時33分

デーリー東北新聞社