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実利求めて日本傾斜 韓国・朴大統領、本格改善は見通せず

西日本新聞 9月8日(木)18時13分配信

 カメラに向かって握手した韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相は、そろって笑顔を見せた。7日、ラオス・ビエンチャンで行われた日韓首脳会談は、従軍慰安婦問題に関する昨年末の日韓合意によって両国の関係改善が進んだことを印象付けた。

 会談の焦点の一つは、北朝鮮の核・ミサイル開発と、中国が反対する最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備。「脅威に対応するため、高高度防衛ミサイルは必要だ」。安倍首相から「日韓、日米韓の防衛協力強化が必要不可欠だ」と呼び掛けられた朴大統領はこう断言した。

 北朝鮮は8月3日と今月5日、移動可能な「ノドン」とみられる弾道ミサイルを日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾させ、8月24日には潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射。いずれも事前の衛星探知は困難だ。

 「朝鮮半島の緊張は過去最高レベル」と警戒する朴大統領はTHAAD配備を決断。これに対し、中国の習近平国家主席は5日の会談で、自国の監視強化につながるとして配備撤回を要求した。朴大統領は、北朝鮮への抑制が効かない中国に不信感を募らせ、実利を求めて日米との協調に活路を求める戦略だ。

 ただし課題も残る。北朝鮮対策として、日本は安全保障分野の情報を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結を韓国に求めているが、韓国世論の反発は根強い。慰安婦問題に関する合意についても「政府が一方的に進めた」と韓国で反対論が拡大。日本が10億円拠出の見返りにソウル市の少女像撤去を要求するとの警戒心もあり、これから日韓の温度差が顕在化する恐れがある。

=2016/09/08付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:9月8日(木)18時13分

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