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上映の場有志の手で フォルツァ総曲輪9月末で休館

北日本新聞 9/8(木) 22:37配信

■10月、シネマカフェ開設

 シネマホールやライブホールを備えた「フォルツァ総曲輪」(富山市総曲輪)の休館が今月末に迫る中、上映していたミニシアター系の作品を受け継ごうと、有志たちが活動を活発化させている。シネマカフェなど新たなスペースを設け、映画ファンが集う場をつくる考えだ。民間レベルでは“受け皿”を模索する動きがある一方、市は休館後の活用策について「白紙の状態」としている。(文化部・橋本真弓)

 5日、フォルツァで手作りスープや食事を楽しむ「スープの日&酒バー」と題したイベントが開かれた。スタッフと客との交流の場として企画し、県内をはじめ岐阜県高山市などから30人ほどが集まった。「温かい空間だった」「いろんな人と出会えた」。寂しさをにじませながら映画について語り合い、互いに感謝の気持ちを伝えた。スタッフの樋口裕重子(ゆちこ)さん(44)は「フォルツァでは人とのつながりが生まれた。なくなるのは残念」と話す。

■客同士が交流
 フォルツァの中でも映画上映はいち早く、22日に終わる。有志たちの間では休館を惜しむだけでなく、新たに上映できる場を設けようとする動きが出始めている。

 イベントスペース「HOTORI」(富山市中央通り)は防音設備などを整えた上で、10月下旬からシネマカフェとしてオープンする予定だ。フォルツァ利用者らでつくる「フォルツァ総曲輪の未来を考える会」(島倉和幸代表)が、店長の田辺和寛さん(38)に依頼したのがきっかけで実現することになった。

 改装費用は田辺さんが負担する。約20席設け、週5日のペースで、日に2、3作品を上映することにしている。会も運営をサポートする。田辺さんは「フォルツァで上映していたミニシアター系やドキュメンタリー作品を紹介したい。客同士が交流できる場になればうれしい」と語る。

 映画ファンやスタッフの樋口さんらは、絵画教室などに利用されている企画スペース「スケッチ」(同市総曲輪)で上映会を検討している。最大で20席を設け、トークイベントなども開きたい考えだ。隣で民芸品店を経営する「林ショップ」店主の林悠介さん(37)が管理人を務め、「小さな規模になるが、フォルツァのような人が行き交う空間にしたい」と話す。旧小杉郵便局「LETTER」(射水市戸破)でも企画を考えている。

■施設活用は未定
 民間レベルでは、休館後を見据えた取り組みが進んでいるが、市は今のところ、具体的な施設の活用策を検討していない。老朽化を受け、館内の点検を行い、まずはどの程度の修繕が必要か見極める必要があるのだという。

 市には存続を求める声や、休館を残念がるファクスや手紙が届いている。映画だけでなく、アマチュアミュージシャンや演劇グループなどが多彩な催しを行ってきたライブホールも使えなくなる。

 市中心市街地活性化推進課の奥沢靖課長は「フォルツァでしか見られない作品を上映していたが一般受けせず、集客につながらなかった」と理解を求めた上で「市民が自主的な運営をすることが可能であれば、施設を貸すこともある」と話した。


◆フォルツァ総曲輪◆
 2007年、富山市総曲輪通りの旧ファッションビルにオープンした。市がシネマホールとライブホールを整備した。市の委託でまちづくりとやまが管理運営し、シネマホールでは年間120本上映している。

北日本新聞社

最終更新:9/8(木) 22:37

北日本新聞