ここから本文です

錦織、マリーに衝撃の逆転勝ち 全米オープン準々決勝

BBC News 9月8日(木)14時14分配信

テニスの全米オープンは7日(日本時間8日朝)、男子シングルス準々決勝があり、英国のアンディ・マリーが日本の錦織圭に5セットで敗れた。今年のグランドスラム大会でマリーがこれほど早い段階で敗退するのは初めて。

第2シードのマリーは最初の3セット内2セットは抑えてリードしたものの、結局は3時間57分の試合を、1-6、6-4、4-6、6-1、7-5で落とした。

7月にはウィンブルドンで優勝したマリーだが、にわか雨に見舞われたアーサー・アッシュ・スタジアムの屋根を閉じるため試合が中断したことからリズムを崩し、音響システムの不調にブレーク・ポイントを邪魔されると冷静さを失った。

第6シードの錦織は準決勝で、スタン・バブリンカ(スイス)と対戦する。

2014年全米準優勝の錦織は、「コート内はとても盛り上がっていたが、冷静でいようとつとめた」、「出だしは調子がよくなくて、(マリーの)リターンが最高だったけれども、終盤は良かった。雨のせいで遅れて、戦術を変えることができた。普段よりもドロップショットを多く打って、それがとてもうまくいった」と話した。

29歳のマリーは今年、全豪と全仏で準優勝し 全英で優勝している。そのため、1968年の4大大会オープン化以降で同じ年に4大大会すべての決勝進出を果たす4人目の男子選手になろうとしていた。

音響システムの「故障」でマリー動揺

試合中の雨はすぐに止んだが、スタジアムの屋根は閉じたままだった。さらに、全米テニス協会(USTA)が「デジタル音響プロセッサーの故障」と呼んだ問題で、マリーのリズムと落ち着きは崩れ、見事に落ち着き払っていた錦織と対照的だった。

「第4セット冒頭のブレーク・ポイントで中断した時、試合開始から4度目で、プレーを中断したのは初めてだった」とマリーは言い、「屋根が閉じた状態では、彼(錦織選手)の方が得点を支配して、僕よりもベースライン近くでプレーすることができた」と補足した。

試合開始直後のマリーは絶好調の様子で、35分間の第1セットでは錦織を圧倒したが、新しい移動式屋根を閉じるための中断から調子を崩した。錦織は1セットずつのタイに挽回し、サービスゲームを落とした後に立て続けに3ゲームをブレークして、マリーを憤慨させた。

マリーはさらに第3セットで4対4と拮抗している時点で、40-0のリードからゲームを落とし、さらに苛立ちを募らせたが、続く2ゲームは抑えたため、やっと試合の支配権の自分のもとに引き寄せたかに見えた。

第4セット冒頭のブレーク・ポイントでは、ラリーでマリー優勢のように見えたが、音響システムからいきなり大きい音が響いたため、主審がプレーを止めさせた。このせいで、マリーの勢いは目に見えて失速した。

マリーはこれに激怒し、審判たちに抗議したが、この時のポイントとゲームは錦織のものになり、30分後にはセットも錦織が抑えた。

さらにネットの周りを1匹の蝶がいつまでも飛びまわっていたことも、マリーの苛立ちを募らせた。2012年の全米覇者は7ゲームを立て続けに落としたが、最終の第5セットではブレークされそうなところを2度挽回して、5-4とリードした。

両選手は合計16回、相手のサービスを破った。それだけに、最終的にマリーが試合をものにする可能性は十分あるようにも思えたが、錦織は見事なラブ・ゲームを続け、最終的に17回目の決定的なサービス・ブレークを果たした。

錦織は冷静沈着なプレーを重ね、マリーの夢を砕いた。最終セットのタイ・ブレークはもはや必要なかった。

<分析> ラッセル・フラー、BBCテニス担当編集委員

はらはらする試合だった。サービス・ブレークが相次ぎ、場内から出られない黄色い蝶も出現し、最悪のタイミングで息を吹き返す音響システムまで登場した。

第4セットの冒頭で、マリーはセットカウント2対1とリードし、ブレーク・ポイントでもリードし、ラリーでは優勢だった。しかしちょうどその時、屋根を閉じたスタジアムの中で銅鑼のような音が響きわたった。「レット」とコールされ、マリーの集中力がしばし途切れ、その間に錦織はセットを獲得。結局は試合も自分のものにした。

マリーにとっては実に素晴らしい夏だったが、ここニューヨークではその分の疲労の色が見え始めていた。しかしすでにウィンブルドンとオリンピックで優勝しているのだから、今回の敗退を受け入れるのは、それほど難しくはないかもしれない。

(英語記事 US Open 2016: Kei Nishikori stuns Andy Murray in five sets to reach semis)

(c) BBC News

最終更新:9月8日(木)15時2分

BBC News