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「国籍、戻すわけない」 猫ひろしが見つけた“特権” 「カンボジア人としてできること、もっと聞いて」

withnews 9月10日(土)7時0分配信

 国籍を変えるという大胆な方法で、マラソンのカンボジア代表になり、リオ五輪に出場した猫ひろしさん。夢をかなえて再び日本人になるのではとの声に、「国籍、戻すわけない」ときっぱり。理由は「ぼくの特権」だといいます。(朝日新聞社会部記者、小林孝也)

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パパの仕事はカンボジア

 猫さん、5歳の娘さんにたずねたことがあります。

 「パパの仕事何かわかる?ってね。『ランナー』っ言うと思ってたら、芸人でもなく、『カンボジア』と。意外と鋭かったです」

 「旧日本人の現カンボジア人というのは、僕だけの特権です。日本に国籍を戻すと一度も言ったことはないし、全く考えていません」

 猫さんが国籍をカンボジアに変えたのは5年前。間近に迫ったロンドン五輪への出場を目指しての行動には、批判もありました。国際陸連の規定で出場できなかったことも「安易では」と追い打ちをかける。ただ、それからも、走り続けました。

 「僕が国籍を変えて一番影響を受けるのはカンボジアの選手ですよね。でも2015年の東京マラソンで2時間27分52秒の自己ベストを出したら、フェイスブックで『おめでとう』とメッセージをくれました。ライバルであり、友だちでもある。得たことは多いです」

「魔物がいるなって思いました」

 迎えたリオ五輪の夢舞台は雨のレースでした。タイムは2時間45分55秒で、完走者の中で下から2番目。率直な感想は、「魔物がいるなって思いました。僕のレベルで魔物とか言っていいのかわかりませんけど」。

 テレビに映るとしたらスタートの時しかないと。気合を入れてスタートラインの一列目に並んだものの、斜め後ろを見ると選手村で顔見知りになった北朝鮮の選手がいて、様子が少し変です。

 「すごい苦しそうにしてたから、よかったら前に来るかって。そしたら、いつの間にか僕の前に来ていて、僕が2列目になっちゃったんですよ。これじゃ映らない。知り合いも、アフリカ勢の中にアジア人の顔を探して、僕と彼を見間違えたみたいです。『あれ猫じゃない?いや、違うよ。背高いわ』って」

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最終更新:9月10日(土)7時0分

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