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理解できない企業に投資しないはずの大物さえもドットコム・バブルに翻弄

THE PAGE 9/14(水) 15:00配信 (有料記事)

 市場では、ときに百戦錬磨の投資家たちでさえ翻弄される事態が起きる。1990年代後半から2000年にかけて起きたドットコム・バブル(ITバブル、インターネットバブルともいう)はその典型であろう。(解説:ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役・田渕直也)

バブルという言葉には、中身のない“泡”のようなものという意味合いがある。しかし、実際には、バブルの始まりは実体を伴ったものであることが多い。

 たとえばインターネットは、生活様式を一変し、ビジネスの世界に計り知れない影響を与える一大イノベーションと考えられていた。そして、実際にその通りになった。インターネット普及後の世界は、それまでとは全く違う新しい世界である。その新しい世界をもたらした夢の技術が、投資家の狂乱を招いたのだ。

 1995年、ウェブ・ブラウザの開発会社ネットスケープ社(※注)の株が上場されると、投資家が文字通り殺到し、その日のうちに株価は2倍以上になった。これが、ドットコム・バブルの号砲を告げる出来事とされている。その後は、熱狂の渦が高まるばかりで、ネット関連企業というだけで、まだ売り上げもろくにないような新興企業の株価がとてつもない高値で取引され、普通の一般企業がネットサービスを始めたというニュースが出るだけでその企業の株価が急騰する事態となっていく。

 ネット関連新興企業(いわゆるドットコム企業)が多く上場するナスダックの株価指数は、ネットスケープ上場時に1000ポイント程だったものが、ぐんぐん上昇して2000年2月には5000ポイントを上回った。4年半ほどで5倍になったのである。

 そんな中、とくに大物投資家の中には、ドットコム企業に背を向けるものたちも少なくなかった。たとえば世界一の投資家とも目されるウォーレン・バフェットは、「自分が理解できない企業には投資しない」として、ドットコム企業には見向きもしていない。

 ヘッジファンド業界の重鎮の一人で、業界大手タイガーマネジメントを率いるジュリアン・ロバートソンもその一人である。ロバートソンは、当時ジョージ・ソロスと並び称されていた大物で、企業価値をじっくりと分析し、割安な株に投資するというオーソドックスな投資手法を得意としていた。

 彼の目から見れば、とても説明のつかないような高価格で取引されているドットコム企業に投資することなど、考えられなかったに違いない。

※注)ネットスケープ社は、その後、マイクロソフトとの競争で業績が伸びず、アメリカオンライン(AOL)に買収されている。本文:4,989文字 この記事の続きをお読みいただくには、THE PAGE プラスの購入が必要です。

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最終更新:9/14(水) 19:16

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