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9000年以上前の土器、石器発掘 薮地洞穴遺跡

琉球新報 9月9日(金)5時0分配信

 【うるま】うるま市教育委員会は8日、市与那城・薮地島の薮地洞穴遺跡で、9千年以上前の土器や石器、貝などを発掘したと発表した。県内でも最古級だという。同じ年代で、土器やヒトが食べた物などが同時に発掘されたのは県内で初めて。市教育委員会文化課は「当時の人々の生活や食べ物を探る上で貴重な情報だ」としている。
 今回の調査は、2014年に洞穴入り口付近で爪形文土器などが出土した層の下から、爪形文土器とは異なる土器や貝製品なども発掘された。遺物は薮地洞穴内部の地表約80センチで発見された。地層を分析した結果、9千年以上前の物だと判明。貝の文様を付けた「波状文土器」や打製石斧、イノシシの骨、貝殻など。
 市教育委員会教育部の横尾昌樹主任主事は「洞穴内ということもあり、自然環境にさらされることもなく保存状態も良好だ」と説明。県内では港川人以降約1万年にわたり、ヒトの活動を示す痕跡があまり発掘されていない。横尾氏は「当時の生活文化や居住地域の解明につながる」と述べた。市教育委は継続的な調査を予定している。
 本年度の調査は8月末で終了。今回発掘された資料は、市与那城歴史民俗資料館の「発掘速報展」で11月25日まで展示されている。
 識者「土器文化解明に重要」

 うるま市与那城の薮地洞穴遺跡から、9千年以上前の土器や石器が発掘されたことに、専門家らは「沖縄の土器文化の解明にとって重大な発見だ」「当時の生活を知ることにつながる」と話す。
 県教育庁文化財課の担当者は「当時の生活を知る重要な手掛かりだ」と指摘。8千~2万年前の土器や石器が出土しているサキタリ洞遺跡(南城市)との関連については「(今回出土した遺物が)同じ系統のものであれば、当時この土器や石器を持ったヒトが(本島内の)広域で移動していた可能性を示す」と話した。
 県考古学会副会長の上原靜沖縄国際大学教授は「遺物が、(14年に同遺跡で出土していた)爪形文土器よりも古いものと聞いており、学会も注目している」と話す。慎重な確認が必要としつつも、「(年代が)証明されれば、沖縄の土器文化の歴史を解明し、学会に大きな影響を与える」と継続的な調査報告に期待を示した。
 県立博物館・美術館の片桐千亜紀主任学芸員は「今回発見された遺物の年代が事実であれば、沖縄の土器文化がスタートした年代の解明に近づく。調査の進展に注目したい」と話した。

琉球新報社

最終更新:9月9日(金)5時0分

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