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東京電力のデータ通知遅延は一進一退、使用量の不明が5000件以上に

スマートジャパン 9月9日(金)11時25分配信

 東京電力パワーグリッド(東京電力PG)は電力の使用量データの通知が遅延している問題に関して、国の電力・ガス取引監視等委員会が求める月2回の進捗報告を9月7日にも実施した。需要家ごとの使用量データを通知できていない件数は9月5日の時点で8623件に減少して、7月末まで2万件を超えていた状況から改善が見られる。

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 その一方で月間の使用量がわからなくなっている件数は4月~6月分までの合計で5754件にのぼっている。電力を販売する小売電気事業者による内訳では、東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)の取り扱い分が4443件、そのほかの事業者によるものが1311件ある。

 月間の使用量が不明なままだと、小売電気事業者は需要家に電気料金を請求できない。東京電力PGと小売電気事業者のあいだで使用量を確定させる協議を実施中だが、使用量を取り決める協定を締結できた件数は5754件のうち3分の1にとどまっている。残る3分の2は使用量を確定できない状態が継続中だ。同じグループの東京電力EPとの協議も難航している。

 需要家ごとの使用量は東京電力PGが運営する託送業務システムで算定するが、システムの不具合によって7月と8月に新規に検針した分でもデータの未通知が発生している。国の指針では検針日から4営業日以内を原則に使用量のデータを確定して小売電気事業者に通知することになっている。

 東京電力PGはシステムの不具合を解消できるまでは7営業日以内を目標にデータを通知する方針だが、8月中に検針したデータで7営業日までに通知できなかった件数は検針日あたり平均で500件を超えている。ただし8月の後半には検針日あたりの未通知件数が200件以下に減って状況は改善し始めた。

発電量のデータも7000件以上が未通知

 8月の後半に検針した使用量のデータが未通知の状態になっている理由は4つに分類できる。このうち最初の2つはシステムの不具合に伴う処理の遅れによるもので、時間をかけて解消できる。残る2つの中で以前から未通知が継続している分が80件ある。7月までの検針値が不明なために8月分の使用量も確定できないケースだ。

 以上の3つの理由で使用量のデータが未通知になっている状態は9月中旬までに解消できる見通しが立った。ところが問題は4つ目の理由である。8月に新規に検針したにもかかわらず、月間の使用量を確定できないケースが引き続き発生している。

 この問題は旧式のメーターからスマートメーターに取り替えたデータがシステムの中で正しく反映できないことが原因になっている。システムの改修を完了するまでに年内いっぱいかかる見込みだ。当面は人手でデータを補正しながら未通知の状態を解消し続ける必要がある。

 一連の問題の発生源になっている託送業務システムには、メーターで検針したデータをもとに需要家ごとの月間使用量を確定して、小売電気事業者や発電事業者に通知する役割がある。東京電力PGのシステムは4月に稼働した当初から4カ所で不具合が発生して現在も解決できていない。

 託送業務システムの不具合によって使用量のデータのほかに発電量のデータの通知も遅延している。大半は住宅に設置した太陽光発電システムの発電量のデータで、9月5日の時点で合計7223件が未通知の状態にある。発電量がわからないと固定価格買取制度を通じた売電額を確定できない。

最終更新:9月9日(金)11時25分

スマートジャパン