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「未登記物件」購入のポイント 軽く考えると大損害に?

ZUU online 9/9(金) 11:10配信

「未登記部分があるけど現金で購入するからいいよね」--。戸建てや築古のアパートの投資が人気だが、こんな言葉がよく聞かれる。訳アリのお宝物件に多い未登記物件。本当にそのまま購入してもよいのだろうか。

■未登記のものに融資は出ない

ほとんどの投資家は「未登記の物件は融資が通らない」ということは知っているだろう。建物の登記そのものがない場合だけでなく、増築したり、離れを作ったりした部分の登記が未了の場合も同じである。登記上存在しないものに、銀行は融資しない。

築古物件を購入する場合、価格も安いし、利回りも考えて現金で購入する人がほとんどである。「融資も使わないし、登記をすると固定資産税が上がるからそのまま購入しよう」と判断するのである。

建物そのものの登記がされてない場合や、一部が未登記であっても固定資産税は課税されている場合も多い。役所の調査員は新築時の家屋調査などに行った時に、回りに未登記の増築や離れがないかも調査しているのである。地道な調査であるし、見つからない場合も多いが大切な税収なのだから、当然の調査である。例えば平屋建てで課税していたのに、2階建てになっていたりするとすぐに、所有者に新しい納付書が送られてくる。

■未登記物件を購入して想定できるトラブル

融資も必要なく、固定資産税も現状通りに支払っているのであれば未登記部分はそのままにして、購入してもいいのでろうか。いくつかの問題点を挙げてみよう。

●未登記の増築部分が違法建築になっている

高さ制限を超えて増築している場合などである。建築確認なども取らずに、知り合いの大工に頼んだりし、現金で工事代を支払っているとこんなケースもある。違法建築部分でしかも未登記のある物件を購入して、その後何もトラブルが起こらないとは思えない。
  
●購入後に、未登記部分の所有権を主張される

増築部分に関してはもともとの建物と一体化しているのでこんな主張をされてもまず大丈夫だが、可能性は決してゼロではない。元々風呂のない物件の2階部分にユニット型の風呂が増築されていると簡単に切り離すことも可能である。築古物件にはとても多いタイプの増築である。さらに、離れ・倉庫などを増築しているのに登記していない場合は元の建物と一体になっていないので、懸念材料がさらに増えるし、人の土地、借地上の建物を購入するのであれば、それがさらに問題であるのは分かっていただけるだろう。足元をすくわれるような原因になってしまうのである。

●後日、登記をするときに非常に手間がかかる

詳細は後述するが、無事に購入し、後日ゆっくり登記をしようと思って購入しても、思わぬ手間と費用がかかってくるのである。

■登記の有無もその不動産の価値である

それでも未登記部分のある不動産を投資物件として購入した後に起こる事態を想定してみよう。

●問題① 売却しにくくなる

自分は現金で購入したから融資は不要だったが、売却を考えたときに、同じように現金で買える人にしか売れないという状況になる。もし収益のあるオーナーチェンジ物件として売ることができるのであればキャピタルゲインも見込めるのに、ローンを組めない物件ならその値打ちがぐっと下がる。

●問題② 登記をしたくても、非常に手間と費用がかかる

未登記部分を登記するには、その部分の実態と所有権を証明する書類をいくつも用意して土地家屋調査士に依頼する。図面も必要となってくるので権利の登記とは違い、依頼が不可欠となってくる。この所有権を証する書面には主に、「建築確認書(及び確認済み証)」「工事人からの引渡し証」「支払いが完了したことを証明する領収証」が重要だ。

他にも評価証明書や納税済証、近隣所有者の証明書、火災保険証などを添付するが、この3種類の書類がとても重要視されている。

しかし、そもそもが自ら増築したのではないからそれらの書類があるはずもない。では登記は不可能なのか?

表題部登記は現状通りを登記する義務が所有者にあるので、その申請に基づき、登記をすることは可能である。所有権を証明する書面がない分、法務局の登記官と土地家屋調査士が打ち合わせ、実地調査を行い、間違いのないことを厳密にチェックしてから登記するのである。

この実地調査には何週間もの待ち時間があるのが普通であり、資料が乏しい状況では土地家屋調査士の調査・測量にも時間がかかる。登記が完了するのには通常で3週間から1か月はかかる。費用も10万円前後はみておいたほうがいい。

このような時間と費用の関係から、未登記のまま築古の格安物件が投資用として取引されているのであろう。しかし、急がば回れで建物に手を加えた本人(売主)が登記を完了し、それを購入するのが最も賢明な選択である。最低でもこのように手間と費用が掛かることを指値などの条件に盛り込み、少しでもその未登記部分に関する資料を引き継いでおいたほうが得策である。

今回は建物に関してだけ説明したが、土地の境界確認・地積更生登記についても同様のことが言える。登記はその物件の価値を完全なものに仕上げる重要な要素である。
(ZUU online 編集部)

最終更新:9/9(金) 11:10

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