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<NTT>今さら固定電話「再独占」に動き出した理由

まんたんウェブ 9月9日(金)17時30分配信

 最近では固定電話を持たない家庭が増えている。そのため通信各社にとって固定電話部門はお荷物と化した。しかしNTTには、他社の固定電話を引き取る動きが見られるという。そこにはNTTの将来を見据えた戦略が隠されている。【経済界】

 ◇三重投資の重荷

 昨年11月、日本電信電話(NTT)の持ち株会社の中間決算発表に、わずか5ページのプレゼンテーション資料が添えられた。ほとんど報道されることもなかった『「固定電話」の今後について』と題したこの資料は、実は通信自由化の最終局面におけるNTTの静かな“宣戦布告”と言っていい。

 資料の内容は、非常にシンプルだ。「現在の固定電話を逐次、IP電話に切り替える」というもの。基本的な音声通話は今まで同様に可能で、電話機やファクスもそのまま利用できる。料金も変えないか、安くする。ただ今後は銅の電線の敷設はせず、すべて光ファイバーにするなどと説明している。

 分かりやすく言えば、従来の固定電話をすべて「ひかり電話」にしてください――ということだ。しかも宅内の工事は必要なく、すべて電話局内で対応する。そう聞けば、何の問題もなさそうに思える。

 固定電話とIP電話は何が違うのか。おおざっぱに言えば固定電話はグラハム・ベルが発明し、銅線と交換機で通話する人同士を結ぶ。IP電話は光ファイバーやADSL回線を利用し、インターネットのデータ通信と一緒に音声信号をやりとりすると理解すればいい。

 両者は全く別の技術であり、NTTをはじめ通信各社は二重のインフラ投資を強いられていることになる。無線を使う携帯電話網を合わせれば三重投資とも言える。

 加えて、音声通話の利用が激減している。友人間の日常会話はSNSやショートメールが台頭し、ファクスも今や電子メールの添付ファイルに置き換わりつつある。固定電話の契約件数は、この10年間で6割も減った。にもかかわらず通信各社は「ユニバーサルサービス」の義務を負い、固定電話の全国網を維持しなければならない。これは不合理だというのが、NTTの言い分だ。

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最終更新:9月9日(金)17時30分

まんたんウェブ