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「この世界の片隅に」完成、のんが「生きるっていうだけで涙があふれてくる作品」

映画ナタリー 9月9日(金)14時26分配信

「この世界の片隅に」の完成披露舞台挨拶が、本日9月9日に東京・スペースFS汐留にて開催され、主人公に声を当てたのん、監督の片渕須直、原作者のこうの史代が登壇した。

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こうののマンガをもとにした本作は、戦時中の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前を向いてたくましく生きる女性・すずの姿を描く物語。

片渕がこの原作に出会い映画化を決めてから、約6年かかって完成した本作。花束を持って登場したのんは、片渕にそれを手渡し「監督、(完成)おめでとうございます」と祝福する。続いて客席に向かって「すずさん役をやらせていただいた、のんです。素晴らしい作品に参加させていただき、すごくうれしいです」と挨拶した。

完成作品を観た感想を、のんは「どんなときでも普通の暮らしっていうのがあって、そこを生きていかないといけないんだと感じました。戦争が1つのものとしてあるのではなく、生活に隣り合わせで迫ってくるのが怖いと思いました。だからこそ生活が素晴らしいと思える作品だと感じました」と述べる。片渕やこうのと並んで作品を鑑賞したそうで、「めちゃくちゃ緊張しました。ビクビクっていう感じで。すみません、失礼しますって思ってました」と控えめにコメントし、片渕らを笑わせた。

片渕は、鑑賞中のこうのについて「え、ここで!?みたいなところでハンカチを出してました」と明かす。それを受けてこうのは「悲しい映像よりも、楽しいところや、すずさんがみんなに優しくされているところでほろっときました」と告白。本作でアニメ映画初主演を果たしたのんは、「収録のときも思ったんですが、声が入っていなくても、映像だけで泣けてしまいました。すごく……いいです」とその魅力をアピールした。

主人公・すずと自らの共通点を聞かれたのんは、「ぼーっとしてるって言われるところ。だけど気の強いところやパワフルなところにも共感しました。そういう共感する部分から、共鳴させていくというふうにがんばりました」と答える。アフレコ時のことを片渕が「なぜすずさんがこう言うのかわからない、といったふうに、質問をたくさん投げてもらった。その質問に答える中で、自分でも作品の本質を捉え直せた。のんちゃんが、演じるだけではなく、すずさんをきちんと理解する役回りをやってくれたんです」と回想すると、のんは「すごくしつこかったですよね……? しつこすぎて大丈夫かなと思ってたんですが……ありがとうございます」と返した。

最後の挨拶では、こうのが「のんさんの声のおかげで、物語の中に明るさが入った。原作にはない素直さがあるのではないかと思います。芯の強さもあって、とってもよくできてるなと思いました」と、片渕が「広島や呉の町をきちんと描くということをやってきたのですが、それも全部すずさんの実在を感じたかったから。のんちゃんに声をやってもらって本当によかった。すずさんが血の通っている人として映画の中で存在できたんです。すずさんをどうか応援していただけるとありがたいです」と挨拶。そしてのんは「生きるっていうことだけで涙がぼろぼろあふれてくる、素敵な作品だと思います。ご家族で観ていただけると、大切なものを共感できるんじゃないのかなって思います。ぜひ皆さんで観てください」とイベントを締めくくった。

「この世界の片隅に」は11月12日より東京・テアトル新宿、ユーロスペースほか全国でロードショー。



(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

最終更新:9月9日(金)14時26分

映画ナタリー

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。