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映画「この世界の片隅に」、こうの史代「物語に明るさが入った」とのんを賞賛

コミックナタリー 9/9(金) 14:29配信

こうの史代原作による劇場アニメ「この世界の片隅に」の完成披露試写会と舞台挨拶が、本日9月9日に東京・スペースFS汐留にて開催された。

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戦時中の広島県呉市で、18歳にして嫁ぎ先の一家を支える主婦となったすずを軸に描かれる「この世界の片隅に」。舞台挨拶にはすず役を演じたのんと、片渕須直監督、こうのが登壇した。舞台挨拶はのんから片渕監督への花の贈呈からスタート。これまで作品製作を軌道に乗せるため、こうのとともに同作のイベントを多数行ってきた片渕監督は、「こうの史代さんの原作に出会って、これを映像化するなら自分の手でやりたいと思い続けて6年。順風満帆というわけではなかったですが、クラウドファンディングを通して、皆さんからご支持をいただき、ありがとうございます」と謝辞を述べる。のんも「本当にすばらしい作品に参加させていただけてうれしいです」と続けた。

映画を片渕監督とのんに挟まれて鑑賞したというこうのが、「すずが泣いているところは、もらい泣きしてしまうだろうなと思ったんですが、なんでもないシーンでも泣いてしまったりして」と告白する。片渕監督が「『えっ、ここで』っていうところでね(笑)」とツッコミを入れると、こうのは「(すずが)みんなに優しくされているところとか、ほろっとくるんです」と返した。

本作がアニメ映画初主演となるのんは、映像について「セリフが入っていなくても、映像だけで泣けてしまう」とコメント。こうのは、のんの演技について「のんさんの声によって物語の中に明るさや、原作にはない素直さが入ってきました」と賞賛する。片渕監督はのんにオファーを送った際に、本人から直接メールが返ってきたことを明かし、「プリントアウトして財布の中に入れているんです」と照れながら語った。

またアニメ化を目指した理由について問われた片渕監督は「僕らはどこまで自分と地続きで時代を遡っていけるかを考えていて。以前昭和30年代の映画を作ったことがあるんですが、(さらに遡って)戦時中ということになるとわからなくなってしまった。その中で自分たちが理解できるものを島のように作っていこうと始めました」と回答。最後に「すずさんがどんな声で、どんなふうにしゃべるのかって考えたとき、のんちゃんしか思い浮かばなかった。応援してください」と会場にメッセージを送る。のんも「普通の生活を送るってことの素晴らしさが伝わってきて、涙が溢れてくる素敵な作品です。ご家族で観ていただければ、大切なものを共感できるのではないかと思います」とアピールした。

「この世界の片隅に」は11月12日よりテアトル新宿、ユーロスペースほかにて全国ロードショー。なお映画の公開を記念した展示イベント「マンガとアニメで見る こうの史代『この世界の片隅に』展」が、広島・呉市立美術館にて11月3日まで開催されている。

映画「この世界の片隅に」
キャスト
のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、澁谷天外

スタッフ
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)

企画:丸山正雄 
監督補・画面構成:浦谷千恵 
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎 
製作統括:GENCO 
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル

(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

最終更新:9/9(金) 14:29

コミックナタリー