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福井で「文庫X」販売へ 内容伏せた「謎の文庫本」、発祥地・盛岡から /福井

みんなの経済新聞ネットワーク 9月9日(金)18時52分配信

 福井市の「安部書店 エルパ店」(福井市大和田2、TEL 0776-53-8585)で9月8日夜、「文庫X」の販売が始まった。(福井経済新聞)

「タイトルが透けないよう紙を重ねたりバーコードが隠れないよう切り抜いたりと、なかなか量産できない」と笑みをこぼす岩佐店長

 「文庫X」は、表紙を手書きポップ状のカバーとビニールでくるんで販売している「覆面文庫本」で、盛岡市にある「さわや書店 フェザン店」スタッフの長江貴士さんが立案した。7月下旬、「少しでも多くの人に読んでほしいと心の底から思える一冊」「どう薦めたらいいか分からずタイトルを隠すことに」などと書いて店頭に並べたところ、SNSなどで話題となり、開始約3週間で350冊以上を売り上げた。

 エルパ店の岩佐美香店長が同書を知ったのは8月下旬で、福井市在住の作家・宮下奈都さんのツイートがきっかけだったという。「カバーのままテーブルに置いておいたら3人のお子さんが次々に読み始めたというツイートを読み、個人的に興味が湧いた。業界紙や全国紙で『文庫X』企画が全国に広がっているという記事も読み、当店でもやってみたいという思いが強くなった」と話す。

 ネットで情報を拾ううち同書のバーコードを撮影した写真に遭遇し、岩佐店長の「書店ガール魂」に火がついた。「データベースで調べて『この本では』と当たりを付け、少しずつ仕入れ数を増やしていった。外れたら地道に売ろうと決めた」。大手書店が同企画を始めたら配本面で不利になりそうと、8日午前、意を決して全く面識のない「さわや書店」にメールを送った。

 「勝手に便乗するのも気が引けるのでメールを送ったところ、当たりを付けた文庫は『正解』だった。オリジナルカバーもOKという返信だったので、自分の言葉で文面を作ることにした」。急いで文面を書き上げ「ページをめくる手を途中で止めることは出来ませんでした」「知ってほしい。福井の人に、北陸の人に、全国のもっと多くの人に、と強く思いました」「この本が少しでも多くの人に届くように、心に届くように」などとつづった。

 これまでに明かされている情報は、価格、500ページ以上というページ数、小説ではないということのみ。岩佐店長は「ネタバレになるのでこれ以上詳しく話せないが、この本を読んだ福井の人たちと早く感想を共有したい。『さわや書店』は業界でも有名な書店で、本を売る努力やそれを支えるお客さんの存在に心を打たれる。当店の売り場も人を動かすきっかけとなれば」と期待を寄せる。

 価格は810円。

みんなの経済新聞ネットワーク

最終更新:9月9日(金)19時34分

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