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鬼気迫る内川、強行出場弾 自打球で右ふくらはぎパンパン

西日本スポーツ 9月9日(金)6時50分配信

■試合後言葉少なめ

 負けてしまえば、自分の放った一発など振り返る意味はない。そう言わんばかりに、帰りのバスへと歩く内川の表情は険しかった。その約1時間前には、一時リードを2点に広げる16号ソロをマーク。「決して甘いコースではなかったが」と報道陣から問いかけられた主将は「そうですか」と、ひと言だけ残し、足早にバスへと乗り込んだ。

カニザレスが昇格即先発 痛恨4タコ&拙守

 満身創痍(そうい)の体で、気迫のアーチを描いた。1点リードの6回2死。松葉の投じた3球目の内角高め直球を完璧に捉えた。美しい放物線の打球は、左翼席に着弾。和田が5回まで無安打投球を続ける中、リードを2点とする一発にベンチは勝利を確信したように沸いた。内川自身も、試合中に球団広報を通じて「すごく冷静に集中して打席に入れました。いいホームランになったと思います」と、この一発の持つ意味に喜びを表していたが、勝利には結び付かなかった。

 腰痛、首痛を抱える中、8月末以降、DHでの出場を続けていたが、7日のオリックス戦で自打球が右脚ふくらはぎを直撃。8回の打席で代打を送られ途中交代した。試合後には、顔をしかめて足を引きずりながら駐車場まで歩いた。首脳陣も8日の出場は厳しいとの見方を示していたが、主将として、4番としてグラウンドに立った。

 午前中に福岡からの航空機で大阪へと移動した8日は、伊丹空港到着後に荷物を待っている間、湿布を貼った患部を気にするように状態を確認した。隣に座っていた五十嵐は「めっちゃ腫れてるじゃん」と驚きの声を上げたが、「出ますよ意地でも。意地でも出ます」。残り18試合の持つ意味を考え、球場到着前から鬼気迫る表情を見せていた。

 選手のコンディショニングには細心の注意を払う工藤監督も当初は内川の出場は難しいと考え、この日は2軍からカニザレス、川島、真砂の3人を一気に昇格させた。故障者が続出している中で野手を補充したが、同時に負ったのは捕手を2人態勢にするリスク。チームが「緊急事態」に陥っている中、主将として強行出場以外の選択肢は頭になかった。そして、大きな一発も放った。3連覇へ向け、苦しい戦いが続くが、手負いの主将から気迫は失われていない。

=2016/09/09付 西日本スポーツ=

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最終更新:9月9日(金)6時50分

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