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国内初、ジカ熱ウイルス分離 千葉県衛生研、ワクチン開発や治療促進へ

千葉日報オンライン 9月9日(金)10時52分配信

 千葉県衛生研究所(千葉市中央区)は、ジカウイルス感染症(ジカ熱)患者の血液からジカウイルスの分離に国内で初めて成功し、ワクチン開発など対策推進に向けて3機関に同ウイルスを提供すると発表した。蚊の媒介などで中南米を中心に拡大し、胎児の小頭症発症も報告されたジカ熱。ワクチンや抗ウイルス薬は世界的にも確立しておらず、研究進展が期待される。

 ジカ熱は、リオデジャネイロ五輪前にブラジルで流行。選手や観光客に大きな影響は出なかったが、渡航への懸念が一時高まった。

 日本でも今年2月、国民の健康に影響を与える恐れがある感染症に指定され、現状、国内で計10人の患者が報告されている。いずれも海外で感染し帰国後に発症したとみられている。

 4月にはジカ熱発生地域のオセアニア太平洋諸島に長期滞在後、帰国した県内の男性の感染が判明した。男性はその後回復し、二次感染も起きていない。

 県衛生研によると、この男性の血液(遠心分離するなどした血清)から5月30日、微少なジカウイルスそのものを取り出すことに成功。海外で例はあるが、国内では国の研究機関を含めて初のケースという。

 県衛生研は、基礎的な研究に役立ててもらうため、同ウイルスの一部をまず8月、国立感染症研究所(本部・東京)に提供した。

 さらに、ジカ熱用ワクチンの開発研究へ活用意向を示したワクチンメーカーの財団法人「阪大微生物病研究会」(同・大阪)と「化学及血清療法研究所」(同・熊本)に提供する契約も今月2日に結んだ。月内に受け渡しをする見込み。

 ウイルス提供はいずれも無償。県衛生研の担当者は「ワクチンなどができれば、予防接種の実施や重篤化を防ぐ治療分野の進展が期待できる」と強調した。

 現状は、海外の流行地域に出掛ける際に肌の露出を避けたり、屋内でも蚊に刺されないようにする予防方法が呼び掛けられている。

最終更新:9月9日(金)10時52分

千葉日報オンライン