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「夷子大黒綱引き」17年は中止 敦賀・旧西町、担い手と資金が不足

福井新聞ONLINE 9/9(金) 8:35配信

 福井県敦賀市相生町で毎年1月に行われる国指定重要無形民俗文化財「夷子(えびす)大黒綱引き」が、担当する旧西町の住民の減少や、資金不足から2017年は中止される。夷子大黒綱引保存会の上田隆夫会長(67)は「後世に残したいと思っているが来年はやむを得ない。18年は何とか再開したい」と話している。

 綱引きは、同市相生町の旧西町で400年以上続く伝統行事。夷子方と大黒方が綱を引き合い、夷子方が勝てば豊漁、大黒方なら豊作とされる。毎年1月の第3日曜日に行われ、参加者や観光客を含め約1千人が訪れる。

 今年2月に行った同保存会の臨時総会で、保存会を含めた町民の高齢化と減少、資金不足を理由に全員一致で中止を決めた。

 30年ほど前、旧西町には八百屋などの商店が軒を並べていた。郊外化で店を畳む人が増え、現在は当時の半分の25世帯しか残っていない。旧西町住民でつくる保存会メンバーの高齢化も深刻で、最も若い人でも48歳。前会長は80代だった。

 保存会は1年がかりで大綱作りや協賛の依頼、補助金申請など準備を行っており、上田さんは「人間関係が希薄になり、準備を手伝ってくれる人も減った。旧町内の力だけでは限界。ほかからの協力がないと続けられない」と肩を落とす。

 綱引きの実施には警備など約100万円の経費がかかっている。住民が減り、協賛金が不足するようになったここ2、3年は、市の助成金を加えても約20万円不足し、保存会が負担していたという。市とも4回協議し「場所の変更や規模の縮小などの提案も受けたが、文化財の形が変わってしまう」(上田会長)と来年の実施を見送った。

 市文化振興課の担当者は「地元の意思を第一に、祭りを長く続けられる体制作りに協力して取り組んでいきたい」と話している。

福井新聞社

最終更新:9/9(金) 8:35

福井新聞ONLINE

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