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旧組事務所がケーキ店に 明るい外装に模様替え 家族連れでにぎわう 北九州

西日本新聞 9月9日(金)11時6分配信

 暴力団事務所として長年使用されてきた北九州市八幡西区筒井町のビルが8月上旬、ケーキ店に生まれ変わった。かつて暴力団員が絶えず出入りし、近隣住民も近寄ることすら恐れていたビルだが、明るい外装に模様替えした今は、スイーツを求める家族連れや若者らで連日にぎわう。店のオーナーは「人が集まるにぎやかな場所にしたい」と意気込んでいる。

【画像】国道200号沿いで開業した「グランディール・キキ」

 「うわあ、おいしそう。どれにするか迷ってしまう」。ショーケースに並ぶプリンや季節のフルーツで彩られたケーキを眺め、若い女性客が声を上げた。

 暴力団事務所跡にケーキ店「グランディール・キキ」を開いたのは、オーナーパティシエの永田弘一さん(37)。4階建てのビルは賃貸で1階に店舗、2階以上に倉庫などがある。

「ここならやれると直感した」

 ビルは2000年12月から、特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系の組が事務所として使用。近くの主婦(65)は「黒い外観で監視カメラもあって怖かった」と言う。同市内では12年以降、工藤会が絡んだとみられる事件が相次いだ。福岡県警による取り締まりの強化で、組長が逮捕されたことをきっかけに、組は昨年6月に退去、その後は空きビルになっていた。

 市内のホテルなどで13年間修業を積み昨夏、独立を決意した永田さんは物件を探していた今年1月、このビルの存在を知った。国道沿いで周りにはマンションが立ち並ぶ。「ここならやれると直感した」という。

業者に改装工事を拒否されたり、法外な金額を示されたり…

 しかし周囲の反応は芳しくなかった。友人は「暴力団事務所の悪い印象は変わらない」。両親も「本当に大丈夫なのか」と繰り返した。それでも永田さんの決意は固かった。「自分の力で負のイメージを払拭(ふっしょく)できれば成功できる」。組事務所だったことを知る業者に改装工事を拒否されたり、法外な金額を示されたりしたが、熱意を受け止める業者が現れ、ビルはクリーム色の外壁に変身した。

 営業を始めて1カ月が経過し、客からは「今まで近づきにくかったけど、ケーキ店になってうれしい」「これからも頑張って」という声が寄せられているという。「組事務所だったことの影響は感じない。将来はカフェスペースを作ったりしたい」。永田さんの夢は膨らむ。

=2016/09/09付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:9月9日(金)11時6分

西日本新聞

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