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祖父伝来の土奪われた 圃場流出 募る絶望感 大雨から10日

日本農業新聞 9月9日(金)10時42分配信

 北海道や東北に甚大な農業被害をもたらした台風10号の上陸から10日たった。影響が広範なため被害の全容は依然見えていないが、氾濫した河川の濁流による被害の大きさが明らかになりつつある。道は8日、農業被害について農作物だけで100億円近いとの見通しを示した。畑を奪われた農家は、長年労力をかけて作り上げてきた土を失い、10日たった今も絶望感が拭いきれない。

 北海道芽室町。芽室川の決壊で缶詰工場は浸水し、一部の圃場(ほじょう)は根こそぎ失われた。畑作農家の瀬川幹生さん(35)は「祖父の代から60年。ずっと積み重ねてきたいい土だった」と言葉を詰まらせる。

 9月下旬に収穫を控えていたジャガイモ畑8.3ヘクタールはほぼ壊滅。畑の半分は濁流に削り取られ、残った株も根が露出し、収穫は望めない。

 8月30日未明に避難し、戻った時は川の中に家があるような状態だったという。自宅敷地内にある倉庫の麦用乾燥調製機は水没し、稼働するか分からない。瀬川さんは「農業が続けられる状態にしてほしい」と訴える。

 北海道清水町を流れる佐幌川も決壊した。今野典幸さん(49)の川沿いに延びた3.6ヘクタールの畑は全域に氾濫水が浸水し、壊滅的な被害を受けた。川の水面から圃場まで高さ3メートルほどあったにもかかわらず、20アール分まるごと削り取られた。

 本来なら今ごろ収穫しているはずの金時豆や手亡は濁流でなぎ倒され、畝間には石や流木が散乱する。今野さんは「収穫できる状態じゃない。もう(畑を)つぶすしかない」と肩を落とす。

 JA十勝清水町によると、8日現在、同町の畑作農家の半分に当たる141戸が被害を受けたという。農地の被害は3165ヘクタールと全体の農地の2割を占める。

 JAの串田雅樹組合長は「断水など生活基盤の整備もままならず、農業被害の全容もまとまりきっていない」と被害の深刻さを語る。今後の復旧に向け「できる限りのことをやっていく。土は農家の財産。河川や明きょの整備などを訴えていく」と強調する。

日本農業新聞

最終更新:9月9日(金)10時42分

日本農業新聞

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