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中川慧梧六段(八戸市出身)、北奥羽将棋名人位を返上

デーリー東北新聞社 9月9日(金)11時52分配信

 デーリー東北新聞社主催の北奥羽将棋名人戦で、通算10期にわたり名人に在位した中川慧梧六段(24)=八戸市出身=が1日付でタイトルを返上した。現在の心境や、今後の目標などについて聞いた。

 ―タイトル返上を決めた理由は。

 昨年に節目となる10期目の名人位を獲得し、さらに今年4月には東京の企業へ就職し社会人となったこともあり、一区切りついたと思った。地元から離れた場所に腰を据え、全国大会を中心としたステージで戦い続けるため、いったん地元に(タイトルを)返そうと考えた。

 ―名人位の重みをどう感じたか。棋力向上につながった部分は。

 初めて取った時は中学生で、深くは考えなかった。しかし、タイトルを持ち続けるうちに、下手な将棋は指せないという意識が強くなった。大学生になってからのここ数年は、世話になった人たちに自分の成長を見せなければ、と思いながら指していた。名人戦を通じ、精神的にも技術的にも成長できた。

 ―思い出に残る3番勝負は。

 一番印象深いのは、田村純也さんを倒して初防衛した第32期。その年は田村さんに(他の大会で)勝っていなかったし、相性の悪い相手だと思っていたが、防衛できてうれしかった。初の3番勝負でもあり、よく覚えている。弟の滉生とも3度(第35、37、41期)戦ったが、毎回強くなっているのを感じた。兄弟で対局できたのは良かった。

 ―これからの北奥羽棋界への期待は。どう関わっていくか。

 北奥羽将棋名人戦には当面出場しないが、自分が中学生で初獲得したように、若い人が名人になってほしい。自分が小中学生の頃から、地元では大会が毎月のように開かれ、実戦の場がたくさんあった。今でも鍛えられる環境は変わらないと思うし、将棋が好きな学生にはどんどん活躍してもらいたい。

 世話になった八戸の人たちへの感謝の思いは尽きない。これからも、はちのへ将棋まつりなどには関わり続けるつもりだ。

 ―今後目指すものは。

 学生時代とは違い、社会人は将棋に関わる時間をつくるのが難しい。仕事をこなしながら、将棋を勉強するリズムをまずは整えたい。全国タイトルは過去に2度、全国アマチュア王将位大会で優勝しているが、今は持っていない。新たなタイトル獲得が目標だ。北奥羽名人も返上したので、気持ちを新たに向かっていきたい。

デーリー東北新聞社

最終更新:9月9日(金)17時31分

デーリー東北新聞社