ここから本文です

三菱重工、専業3社との提携で「商船改革」は軌道に乗るか

ニュースイッチ 9/9(金) 8:09配信

関心事は巨額損失を出した大型客船。撤退はある?

 三菱重工業の商船事業改革が、新たなステージに入る。8月末に専業大手の今治造船、大島造船所、名村造船所と、同事業での提携に向けた協議入りを発表。自社の造船技術と3社の製造能力を組み合わせ、開発力の強化やコスト低減につなげる。生産拠点の再編や分社化など解体から始まった商船改革は、外部資源の活用でその歩みを加速。各社のシナジーを最大化し、世界2強の中国・韓国に対抗する。海運市況低迷に伴う造船不況の出口が見えない中、再び羅針盤を手に入れられるか。

慢性赤字から抜け出す?

 三菱重工は1980年代以降、中国や韓国との競争激化などを背景に、国内5カ所の船舶建造拠点を長崎造船所(長崎市)と下関造船(山口県下関市)に集約。大型客船や資源探査船、液化天然ガス(LNG)船といった高付加価値船にシフトする構造改革に踏み切った。今回の提携協議入りで、慢性赤字から抜け出すための施策は確実に前進しそう。

 建造量では提携する3社の背中を見る三菱重工だが、「技術力や新船型の開発力は、間違いなく世界トップレベル」(名村造船)。ただ「三菱重工の現在の建造量では、技術力は生かし切れていない」(業界関係者)のが現状だ。建造量国内首位の今治造船、3位の大島造船、4位の名村造船と組めば、多様な船舶への技術導入が可能になる。

 各社との提携内容は詳細が詰まった段階であらためて公表する方針だが、排ガス規制など新造船の環境対応や建造能力の向上に向けた提携などを視野に入れる。状況次第では事業統合のシナリオも描け、JFEホールディングスとIHI傘下の造船会社が13年に統合し、ジャパンマリンユナイテッド(東京都港区)が誕生して以来の大型再編になりうる。

 大型ガス船などを建造する三菱重工長崎造船所香焼工場。15年10月には船体建造、船体ブロック建造の専業会社2社を始動した。ガス船では連続建造によるボリューム効果を最大限発揮する戦略だ。18年度までLNG船を年4―5隻造り、まずは黒字体質への転換を狙う。

 ここでも専業大手との提携は、大きなメリットとなりそう。LNG船は高い建造能力を武器に、一時は韓国勢が大きくシェアを伸ばした。日本勢は技術を持つが、単独で大量隻数を短納期に建造するのは難しい。

1/2ページ

最終更新:9/9(金) 8:09

ニュースイッチ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。