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土砂災害、埼玉1140カ所で対策必要、本年度45カ所整備 台風多発で急ぐ

埼玉新聞 9/9(金) 10:30配信

 埼玉県は、近年の台風の大型化やゲリラ豪雨などによる土砂災害が全国で相次いでいることから、県内の避難所や学校、病院や介護福祉施設などに近く、土砂流失の危険性の高い個所から土砂災害対策を進めている。本年度は土石流を防ぐ砂防事業を23カ所で実施するなど、計45カ所を整備する。今シーズンも台風が多発しており、県河川砂防課は「災害の兆候や高齢者の利用施設があるなど、緊急性の高い場所から整備していきたい」と話している。

 同課によると、2006年度から15年度まで県内では人家に影響を与える恐れのある29件の土砂災害が発生。そのうち15年度は7件の土砂崩れが発生した(最多は07年度の12件)。県が土砂災害に対する対策が必要とする県内1140カ所のうち、整備されているのは118カ所にとどまっており、同課は「埼玉県は全国的にみて土砂災害が少ないとはいえ、発生リスクは高まっている」とし、ハード事業による対策を急ぐ。

 本年度は土石流を防ぐため、越生町黒岩やときがわ町西平など23カ所に堤防を築く砂防事業を実施。がけ崩れを防止するため、狭山市柏原上の原や秩父市大滝楢平など14カ所を急傾斜地崩壊対策事業に指定し、コンクリートによる擁壁(ようへき)工事などをする。皆野町金崎など8カ所では地滑り対策事業を実施する。国の補助金を活用し、予算総額は10億9千万円。

 さらにソフト対策として、土砂災害防止法に基づき土砂災害警戒区域の指定を進める。警戒区域は県内に約5200カ所あるとみられるが、県が指定しているのは4543カ所(7月現在)。指定に伴い市町村は避難所を設けたり、災害の際の住民の誘導体制を地域防災計画で決めておくことになっており、本年度中に約5200カ所の指定完了を目指す。

 本年度は8月、秩父市中津川の県道で大雨が原因とみられる土砂崩れが発生。けが人はなかったが、土砂の高さは最大で約6メートル、長さは約30~40メートルになった。

最終更新:9/9(金) 10:30

埼玉新聞