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「おかわり」に憧れる「おかわり二世」 3年目台頭の裏に“違い”の発見

Full-Count 9月9日(金)12時57分配信

今季の収穫となった3年目・山川穂高の台頭、その成長の要因とは

 123試合を戦い終えた9月2日、最大の目標だった優勝の可能性が消滅した。8月は6カード連続勝ち越しなど、上昇気配が見えた西武だったが、53勝3分67敗、借金14でV逸決定。4月下旬からは、常にBクラスに沈んでおり、現在も5位と、引き続き苦悩のシーズンの真っ只中だ。

中村、山川、メヒア…西武内野手陣の今季成績一覧

 しかし、どのような苦境でも、『収穫』は必ずあるものだ。今季の西武は、3年目・山川穂高の台頭が、その1つと言えよう。

 チームメイトであり、今なお憧れて止まない、日本球界屈指の本塁打キング・中村剛也と身長、体重ともほぼ同じ。研究熱心な性格と、特技ともいえる“模倣力”で、打撃フォームも一見、完全コピーしたと見えるほど酷似していることから、入団時から「おかわり君(中村の愛称)二世」と評されてきた。

 富士大時代には1年春から4番を務め、日本代表にも選出されてきた逸材。首脳陣も1年目からの活躍に大きな期待を寄せていた。そのルーキーイヤーの2014年、2軍戦では打率.321、本塁打21本でホームラン王を獲得しながらも、1軍では14試合で打率.100、本塁打2本に終わった。得意の模倣のコツにも通ずるが、元々、「僕は、一度じっくりと自分の目で見て、自分でやってみて、自分なりの感覚を掴んでから、成果を出すタイプ。結果がでるまでに時間がかかってしまうんです」と話しており、実際、2軍戦で本塁打を量産し始めたのも、相手投手と一通り対戦した6月になってからだった。

 だからといって、昇格後すぐに結果が求められる1軍において、守備を大きな課題とする新人内野手に「一通り対戦させるまで待とう」などという優遇が与えられるはずはない。34打席で本塁打2本含む3安打の成績では、居場所を確保できなかった。

フォーム「そっくり」も首脳陣の評価は真逆、「2人は全く違う」

 1年目の経験を踏まえ、さらなる飛躍が期待された2年目の昨季だったが、開幕1軍入りを果たしたものの、出場機会は一度もなく、わずか1週間で降格。さらに2軍戦でも打撃不振に陥り、再び1軍昇格したのは9月26日で、結局、シーズン通して1試合1打席1安打のみという成績に終わった。

 そして迎えた3年目の今季。オープン戦から打率.313、本塁打4本とアピールに成功し、開幕から4試合連続でスタメンを勝ち取ったが、無安打に終わり、昨季に続いて1週間で登録抹消と、再び1軍の厳しい壁に遭遇する。だが、その後が彼の成長だった。宮地克彦2軍打撃兼守備走塁コーチから「ファームにいる以上、図抜けた数字を残せ」と課せられると、7月30日に1軍昇格するまでに打率.333、打点64、本塁打22本と、圧倒的な成績で見事に応えてみせる。

 主砲・中村の代わりとして満を持して1軍へと召集されると、その日から2試合連続本塁打。さらに8月19日、21日には2打席連続本塁打を放つなど、『おかわり二世』の名に相応しい活躍を見せた。

 過去2シーズンに比べ、結果が出るようになったポイントは、前述の通り「相手投手にも、雰囲気にも、『慣れてきた』というのは絶対にある」と、本人も認める。それと同時に、さらに大きな要因として挙げるのが、「打撃フォームの変化」だという。

 常に“中村剛也の打撃”を身につけることだけを求め、研究し、プロ入りするにまで至った。周囲からも「そっくり」と認められた。だが、田邊徳雄監督、宮地コーチなど、プロの目から見れば評価は真逆。両者とも入団直後から、「中村は下半身、山川は上半身を使った打撃。フォームは似ていても、2人は全く違う」と分析していた。また、中村も以前、「山川は、上半身の力が強い。もっと下半身を上手く使えるようになったら、さらに飛距離が伸びると思います」と、自分との身体の使い方の違いを話していたことがある。

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最終更新:9月9日(金)13時32分

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