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アップルが新製品発表会で語らなかったこと

ウォール・ストリート・ジャーナル 9月9日(金)18時12分配信

 米アップルは7日、「iPhone (アイフォーン)7」と「iPhone 7 Plus(プラス)」を発表。デュアルレンズカメラ技術や新型ワイヤレスヘッドホン「AirPods(エアポッズ)」のほか、2代目「Apple Watch(アップルウオッチ)」、任天堂のスマートフォン向け新ゲーム「スーパーマリオラン」など多くの話題を提供した。

 しかし、アップルがサンフランシスコで開いた2時間近くにおよぶイベントでは、触れられなかったことも多くある。アップルの舞台裏での動きをまとめた。

エントリーモデルが32GBに

 iPhone 7と7 Plusはエントリーモデルのストレージ容量が16ギガバイト(GB)から32GBに引き上げられた。これは本来、もっと早くに取るべきだった措置だ。iPhone 6sと6s Plusについても、最低ストレージ容量が32GBに引き上げられ、64GBモデルが廃止された。

 さらにタブレットの「iPad(アイパッド)」も同様の変更が行われている。12.9インチと9.7インチ双方の「iPad Pro」「iPad Air(エア)2」「iPad Mini(ミニ) 4」「iPad Mini 2」いずれもエントリーモデルの容量は32GBになった。

64GBのiPhone SEが値下げ

 小型の「iPhone SE」は、16GBのストレージが選べる唯一のiPhoneとなった。エントリーモデルの価格は399ドルで据え置きだが(日本では4万7800円から4万4800円に値下げ)、64GBモデルは499ドルから449ドルに値下げ(日本では5万9800円から4万9800円に値下げ)された。

iPad Proも値下げ

 iPad Proの購入を待っていた人にとっては、我慢のかいがあったかもしれない。アップルは7日、128GBと256GBモデルをそれぞれ50ドルと100ドル値下げした(日本では9.7インチのWi-Fiモデルはそれぞれ1万2000円と2万円の値下げ、9.7インチのセルラーモデルはそれぞれ1万4000円と2万2000円の値下げ、12.9インチのWi-Fiモデルはそれぞれ2万円と2万8000円の値下げ、12.9インチのセルラーモデルはそれぞれ2万2000円と3万円の値下げ)。

 32GBモデルの価格は据え置き(日本では9.7インチのWi-Fiモデルは4000円の値下げ、9.7インチのセルラーモデルは6000円の値下げ、12.9インチのWi-Fiモデルは1万2000円の値下げ、12.9インチのWi-Fiモデルは1万2000円の値下げ)。

純金Apple Watchを廃止

 アップルは7日にウェブサイトを更新した際、1万~1万7000ドルで販売していた18金ケースの「Apple Watch Edition(エディション)」を外した。代わりに加えられたのが、セラミックケースの新しいWatch Editionだ。

 セラミックは32ミリモデルが1249ドル(日本では12万5800円)、42ミリモデルが1299ドル(日本では13万800円)。アップルは純金製品を販売しないとは言っていない(この件についてアップルはコメントしてない)。だが少なくとも、当面は高級なApple Watchには力を入れないようだ。

端子変換アダプター

 iPhone 7では従来の3.5ミリのヘッドホンジャックが廃止されたが、これは多少物議を醸している。アップルはユーザーをワイヤレスヘッドホンに完全に移行させようとしているが、それには時間がかかるとみている。そこで、充電に使用する「Lightning(ライトニング)」端子を3.5ミリのヘッドホンジャックに変換できるアダプターをiPhone 7に同梱(どうこん)している。これについてアップルが言っていないことがある。アダプターをなくした場合や追加がほしい場合、9ドル(日本では900円)で購入できるということだ。

Beatsの新ワイヤレスヘッドホン

 新たに発表されたAirPodsは、アップル端末とのワイヤレス接続の管理に新開発の「W1」チップを使用しており、アップル端末にしか対応していない。アップルはW1チップを新しい「Beats(ビーツ)」ブランドのヘッドホン3機種にも搭載する。

 アップルは7日、ビーツのヘッドホンの新機種が近く発売されることは明らかにしたが、価格には言及しなかった。「Beats X」は、首に掛けておく際に紛失しないようイヤピースがマグネットでくっつくようになっている。近く発売予定で価格は150ドル(日本では1万4800円)。

 運動時の使用に適した「Powerbeats(パワービーツ)3」は、W1チップが搭載されていること以外は「Powerbeats2」と同じだ。こちらも近日発売予定で価格は200ドル(日本では1万9800円)。「Solo(ソロ)3」もW1チップ搭載以外は「Solo2」と変わらず、300ドル(日本では2万9800円)で販売中。

MacOS Sierraの提供は9月20日

 7日のイベントではパソコン「Mac(マック)」については触れなかったが、クリスマスシーズン前に何らかの発表をする時間はまだある。一方で、Mac用基本ソフト(OS)の新バージョン「MacOS Sierra(マックオーエス・シエラ)」が9月20日から無料配信されることが決まった。これにより音声アシスタント機能「Siri(シリ)」が利用可能になるほか、「OS X」ブランドが廃止される。

聞き逃した可能性のあるニュース

 アップルがイベントで発表したものの、多くの出席者が聞き逃した(またはメディアが報道しなかった)可能性のある情報もある。例えば、iPhone 7と7 Plusには新色として光沢感のある「ジェットブラック」が加わったが、128GBと256GBモデルにしか用意されていない。

 7 Plusのカメラでは被写界深度を調整してボケ効果を得られるようになったが、この機能は発売時には使用できず、アップルによると「年内にソフトの無料アップデート」で提供するという。

 第2世代Apple WatchのNike+モデルは、他のモデルと同じく9月9日から受注を開始するが、販売開始は9月16日ではなく10月下旬だ。

 さらにアップルは、業務用アプリ「iWork(アイワーク)」をようやくリアルタイムで共同作業可能にしたと発表した。「グーグルドキュメント」では何年も前からできていたことだ。これにより共同での文書の編集は「Page(ページ)」で、プレゼンテーション作成は「Keynote(キーノート)」で、表計算は「Numbers(ナンバーズ)」で可能になる。iWorkの共同作業機能は、9月13日提供の「iOS 10」と9月20日提供の「MacOS Sierra」で配信されるアプリで利用可能。

By NATHAN OLIVAREZ-GILES

最終更新:9月9日(金)18時12分

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