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慰安婦合意とTHAAD配備を決めた朴大統領の背後には米国の世界戦略が

ハンギョレ新聞 9/9(金) 5:47配信

12・28合意も、サード配備も 結論は「韓米日協力強化」 米国の中国牽制戦略と合致する 米国「朴大統領と安倍首相のリーダーシップを歓迎」 韓米日VS中ロの対立が鮮明に 韓国社会は分裂に突き進む

 朴槿恵(パククネ)大統領がロシア、中国、ラオスを相次いで訪問し、米中日ロの首脳と会談した。北朝鮮を除く6カ国協議関係国との首脳会談を数日間で行ったのだ。2日、朴大統領がソウルを出発する前に比べ、何がどう変わったのだろうか? 韓国政府は「在韓米軍への高高度ミサイル防衛(THAAD)配備」方針をめぐる軋轢にも関わらず、中国とロシアの首脳から「北朝鮮の核を容認しない」ことや「国連安全保障理事会の対北朝鮮決議2270号の履行に向けた意志」を確認したことなどを成果として挙げている。

 果たしてそうだろうか? THAADをめぐる対立は、米中、韓中、韓米、韓ロ首脳会談で各国首脳の口を通じてこれまでの対立構図が再確認されたことにより、むしろ悪化する雰囲気だ。一方、各国の首脳は、統制不能の状況に突き進む北朝鮮の核・ミサイル能力を制御する方法と、「安保ジレンマ」に陥ってますます危うくなる北東アジア情勢を共存・協力の方向に転換するための糸口を見出すことに対し、あまり努力を傾けなかった。韓米日の首脳が共に強調した「さらに強く、緻密な対北朝鮮制裁・圧迫」は、中国とロシアの消極的態度に直面しており、中ロ首脳の「6カ国協議の再開、対話局面への転換」という呼びかけは韓米日首脳の耳に響かなかった。互いに馬に念仏をしているような状況だ。

 出だしから危なっかしかった。ロシアのプーチン大統領は、朴大統領との会談(3日、ウラジオストク)前後マスコミの前では「THAAD」について言及しなかったが、非公開会談ではTHAADに対する反対意思を明らかにした。北朝鮮の核・ミサイルへの対応問題についても、プーチン大統領は「状況を交渉局面に転換すべきだ」と述べた。

 韓中首脳会談(4日、杭州)は正面衝突に近かった。朴大統領と中国の習近平・国家主席は、韓中関係の重要性を強調したが、韓中間の関係を円満に解決していくには懸案に対する認識と解決策があまりにも異なっていた。朴大統領が「THAADは第3国(中国)の安保利益を侵害する理由も必要もない」と強調したのに対し、習主席は「米国のTHAAD配備に反対する」と言い返した。THAADは北朝鮮の核・ミサイル防御用ではなく、米国の中国牽制用という認識だ。習主席はTHAAD配備の代わりに6カ国協議を復元し、北朝鮮の「関心事」(安保懸念)まで考慮して「バランスよく」解決しなければならないと訴えた。しかし、朴大統領は「国際社会の強力かつ断固たる対応」を注文し、両首脳は平行線をたどった。

 朴大統領は、習主席と会談した翌日の5日にラオスでバラク・オバマ米大統領と口をそろえて「THAAD配備の強行」を宣言した。特に、韓米首脳が会談後の共同記者会見で、対北朝鮮抑止力の一つとして「拡大抑止」(extended deterrence)という表現を使ったことに注目する必要がある。拡大抑止とは、米国が韓国に核兵器を配備しなくても、本土とアジア太平洋地域に展開した戦略資産を中心とした「核の傘」を提供するという意味だ。見方を変えると、「米国が保護するから、韓国は核武装を進めてはならない」という戦略的けん制でもある。

 さらに、オバマ大統領は「我々のミサイル防衛(MD)協力、すなわちTHAADは、北朝鮮の威嚇を防ぎ抑止するための純粋な防御システム」と強調した。「THAAD配備は北東アジアの戦略的な均衡を損なう」という中ロ首脳の反対に反論したのだ。

 これによって、「在韓米軍へのTHAAD配備」をめぐり、韓米の「THAAD配備強行」と中ロの「THAAD配置反対」が各国の首脳レベルで公式確認された。THAAD配備をめぐる韓米と中ロの対立と軋轢は首脳レベルの「戦略的大妥協」なくしては解決が難しくなったことを意味する。

 しかも、韓米首脳会談後にオバマの「腹心」と呼ばれるベン・ローズ・ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)副補佐官はブリーフィングで「中国が制裁を強化しても、THAAD配備の方針を再検討することはない」と言い切った。彼は「北朝鮮が弾道ミサイルと核プログラムを放棄」するなら、再検討もあり得ると条件をつけた。しかし、米国は欧州にMDを構築する際にも「イランのミサイル脅威」を理由に掲げていたが、イランとの核交渉が妥結された後も、MD構築の中断を表明していない。実際の標的は、イランではなく、ロシアだからだ。中国とロシアの首脳が欧州MDとアジア太平洋地域のTHAADは同一線上にあると見るのも、そのためだ。

 ローズ副補佐官は記者団に質問されてもいないのに、「一つ付け加えたいのは、オバマ大統領と朴大統領が我々3カ国(韓米日)の三角(安保)協力を持続することの重要性について話したという事実」としたうえで、「我々(米国)は朴大統領と安倍首相が見せてくれた進展とリーダーシップを歓迎する」と強調した。

 THAADをめぐる激しい対立の最中に、このような発言をした理由は何だろうか。北朝鮮の4回目の核実験の翌日である1月7日、オバマ大統領が朴大統領との電話会談で行った発言を再確認する必要がある。当時、オバマ大統領は唐突に(?)、日本軍「慰安婦」被害者問題と関連した韓日政府の12・28合意が「正しい結果」であり、「北朝鮮の核実験という共同の挑戦に対する韓米日の対応能力を強化するもの」と絶賛した。

 そして7日夜、朴大統領と安倍首相は12・28合意の余勢を駆って韓日関係の「未来志向的発展」と「韓米日3国の協力強化」を追求すると宣言した。

 要するに、韓国社会を極度の対立に追い込んだ12・28合意とTHAAD配備決定は、別々の事案ではない。米国という巧みな戦略家が作り上げた「双生児」だ。これが韓国、米国、日本、中国、ロシアの首脳が相次いで行った首脳会談が明らかにした北東アジアの実状だ。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:9/9(金) 5:47

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