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フィリピンの漁村復興支援 北陸学院大・田中准教授、女性の自立を後押し

北國新聞社 9月9日(金)2時54分配信

 北陸学院大の田中純一准教授(災害社会学)は、2013年の台風で大きな被害を受けたフィリピン・バンタヤン島で漁村の復興支援に乗り出す。地域資源を生かした加工品の開発や販路開拓を後押しし、現地の女性の経済的自立を支える。活動は10月からの3年間で、能登半島地震や東日本大震災の復興支援の経験を生かし、地域防災力の向上も目指す。

 国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業の採択を受けた。13日に北陸学院大とJICA北陸との間で合意書を交わす。

 バンタヤン島のポーク(人口約2800人)、オコイ(同約3500人)という二つの漁村集落に入り、現地の非政府組織(NGO)と連携して事業を進める計画である。

 フィリピンでは2013年11月の台風30号で約8千人の死者、行方不明者が出た。JICA北陸によると、バンタヤン島はレイテ島などと比べて支援が手薄で、住宅再建のために負債を抱え、現在でも厳しい生活を強いられている住民が多いという。

 田中准教授はフィリピンの台風以降、今年7月までに4回現地に赴き、住民の声に耳を傾けてきた。家が飛ばされ、船や漁網を失ってなお、復興へ意欲的な漁村の女性グループがいることを知り、継続的に支援することで、地域を立て直すことができると考え、JICAの事業に応募した。

 田中准教授は能登半島地震や東日本大震災など各地の被災地に入り、住民の心の復興に携わってきた。災害大国日本から輸出できるのが防災教育だと考え、現地でワークショップなどを開き、災害に備える意識を育てる。

 加工品開発に向けた研修として、同じく漁業をなりわいとする能登の住民と交流することも検討しており、田中准教授は「能登半島地震を経験した石川だからこそ、災害の教訓を共有できる。住民とともに何ができるか考えたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:9月9日(金)2時54分

北國新聞社