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MUFG:日本株調査で新たな試みへ、アナリストへの規制強化受け

Bloomberg 9月9日(金)5時5分配信

三菱UFJフィナンシャル・グループが日本株調査でビッグデータを活用した新たな試みに乗り出す。金融規制の強化で、決算に関するアナリストの企業への事前取材が禁止される中、先を見通すことが難しい産業分野などで独自の長期的視点に立った調査を進めるのが狙いだ。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の塩原邦彦エクイティリサーチ部長は、月内にも一部の産業に関する機関投資家向けリポートを発行する計画を明らかにした。日本や米国、欧州での100万件超の特許情報をクラスター分析し、10年後に特定の技術分野で競争優位に立つ企業を探り出すなど長期的に業界を予測する内容だ。

日本証券業協会が未公表の決算に関するアナリスト取材を原則禁止するガイドラインを取りまとめる中、国内外の証券各社は業績予想などの「早耳情報」から、中長期的な観点に基づく企業分析にシフトしつつある。ドイツ証券とクレディ・スイス証券は法人関係情報の不適切な管理体制で2016年4月までに金融庁から行政処分を受けている。

塩原部長はブルームバーグの取材で「予測が難しい中長期の見方をどう提案していくかにフォーカスは移っていく」と指摘。特許情報の解析により「10年後にその産業がどんな方向に向かっているのか、どんな商品が売れるのか、どの企業が先行開発に一番積極的に取り組み、中心的な技術を将来誰が握るのか」などを予測可能にすると述べた。

MUFG株価の9日終値は前日比2.2円(0.4%)高の546.2円となっている。

ビッグデータへの支出、64億ドル

グローバルに展開する金融機関は、リアルタイムに変化する膨大で複雑なデータをより良いサービスや迅速な意思決定に役立てようとしている。アクセンチュアのリポートによると、金融機関はこうしたビッグデータ関連に15年には64億ドルを費やしているが、その額は19年までに毎年26%ずつ増加するとみている。

MUFGでは今回の特許情報のクラスター分析はビッグデータを扱う国内ベンチャー企業と共同で実施した。塩原部長は法令順守の観点から、今月にも発行するリポートの詳細についてコメントを控えた。共同で解析を行った企業についても非開示だという。

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最終更新:9月9日(金)15時40分

Bloomberg