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止まらぬ廃バッテリー国外流出、危機感募らす製錬業界-政府対策検討

Bloomberg 9月9日(金)8時17分配信

自動車などから回収された使用済みのバッテリー(蓄電池)輸出が高水準で続いている。鉛を使用するバッテリーは、使用後に鉛を回収して再び地金を製錬するための原材料となる。貴重な「資源」の国外流出が続く事態に非鉄製錬業界は政府に対策を要望。これを受けて政府も法整備の見直しに向け、具体的な検討に乗り出す方針だ。

財務省貿易統計によると廃バッテリーの輸出量が増えたのは2006年以降。輸出量の99%が韓国向け。04年にはゼロだった韓国向けが14年には9万7000トンにまで拡大。ロンドン金属取引所(LME)の鉛価格上昇を受け、韓国ではリサイクル原料から鉛地金を製錬する能力を拡大。日本から高値で廃バッテリーが輸出される事態を招き、鉛製錬メーカーからは安定的な原料調達を脅かすとの危機感が高まっていた。

早急な対策の必要性が高まった契機は今年6月、廃バッテリーから鉛地金を製錬する韓国企業11社が製錬過程で生じるヒ素を含んだ残留物を不法投棄していた容疑で摘発されたとの同国政府による発表。環境対策コストを負担していないことが、高値で廃バッテリーを買い集めることができた背景との見方が広まった。

日本鉱業協会の西田計治会長(三井金属社長)は7月の会見で「韓国がなぜ高い値段で廃バッテリーを買えるのかは数年来問題視されてきたが、不法処理されていることが分かった。日本から輸出されたものが不法投棄されている構図になっており、何らかの規制がかかるべきではないか」と問題提起した。輸出先が適切な環境対策を取っていることなどを条件とするよう求めている。

韓国環境部の担当者は、廃バッテリーが適切に処理されている限り、企業に対して廃バッテリーの輸入禁止を命じることはない、と語った。日本鉱業協会によると、韓国は日本のほか米国やアラブ首長国連邦(UAE)などからも廃バッテリーを輸入しており輸入量は年々増加している。

環境省廃棄物・リサイクル対策部企画課の萱嶋富彦課長補佐はブルームバーグの取材に対して「環境省としては有害廃棄物等の輸出入を適正化するためには一刻も早い法制度の見直しが必要と考えている」と説明。有害廃棄物の輸出入規制などを定めたバーゼル法の改正を視野に入れ、有識者による専門委員会の早急の立ち上げに向けて調整していると述べた。

有害物資を含んだ廃バッテリーの輸出はバーゼル法により政府に事前申請することが求められている。ただ、現在の制度では輸出先の受け入れ体制の確認までは厳しく求められておらず、輸出先企業が不法処理を行っていたとしても輸出を禁止することはできない。日本鉱業協会によると摘発を受けた11社の社名について韓国政府は明らかにしていない。

Masumi Suga, Ichiro Suzuki

最終更新:9月9日(金)8時17分

Bloomberg

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