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米FCC、セットトップボックス自由化へ妥協案

CNET Japan 9月9日(金)13時9分配信

 米規制当局は、数カ月にわたるケーブルテレビ業界からの批判を経て、セットトップボックス(STB)のレンタル料金から消費者を解放する案を修正した。

 米連邦通信委員会(FCC)のTom Wheeler委員長は米国時間9月8日、従来型のSTBに代わって、「Roku TV」「Apple TV」「Xbox One」「Smart TV」のような機器のアプリや、「iOS」や「Android」を搭載するスマートフォンやタブレットを通じて、消費者が有料テレビサービスを利用できるようにする新しいルールを提案した。この案では、有料テレビサービスを提供するケーブルテレビ事業者などの企業が、自社提供の番組の検索を「Hulu」や「Netflix」のようなアプリを通じて見つけられるコンテンツと統合し、消費者がテレビ番組や映画をアプリで検索できるようにすることも求めている。

 今回の新たなプランは、先の案に対する業界の批判を考慮に入れた妥協案だ。これまでの案では、有料テレビサービスの提供者が新しい技術規格を採用して、機器メーカーが無料でテレビ用コンテンツにアクセスできるようにすることを義務づけていた。

 Wheeler氏は、次のように述べている。「採用されれば、消費者最優先のこうしたルールによって、テレビの視聴体験を強化する新しい機器の競争市場への道が開かれる。つまり、消費者はもう、すでにその分の料金を払っている番組を視聴するためにSTBをレンタルする必要がなくなる」

 FCCが2月に発表した最初の「Unlock the Box」案は、ケーブルテレビ会社から提供されるSTBに代わるもっと低価格で革新的なものを消費者にもたらす手段だと宣伝されていた。米議会の調査によると、現在、米国の有料テレビ加入者の99%がSTBをレンタルしており、そのために年間で平均231ドルを支払っているという。

 だが、ケーブルテレビ会社やRokuなどは、STBに関するFCCの要求により、費用が増し、消費者のプライバシーが脅かされ、比較的小規模なコンテンツ制作者がダメージを受ける恐れがあると批判していた。また、市場はSTBからモバイル機器やゲーム機、テレビで動作するアプリへと移行しつつあるので、こうしたルールは不要だと主張していた。

 新たなルールは、これらの問題を考慮している。1996年電気通信法の策定に携わり、米上院商業科学運輸委員会のメンバーであるEd Markey上院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)などの議員は、FCCの取り組みを称賛した。

 Markey上院議員は発表の中で、次のように述べている。「消費者は、法外なSTBレンタル料金に終止符を打つ、真に競争力のある堅固なSTB市場を20年間も待ち望んでおり、FCCの規制は新時代の幕開けを示すものだ。FCCは議会から明確に付与された権威を利用して、消費者がすでに料金を支払った番組を視聴するデバイスを、より効果的に選択できるようになることを目指している」

 Comcastなど一部のケーブルテレビ事業者はすでに、顧客がSTB以外のデバイスでテレビサービスにアクセスできるようにするアプリを開発しているが、FCCの新たな提案には依然として欠陥があると批判する人もいる。というのも、有料テレビ事業者やコンテンツ所有者が番組契約を結ぶ方法に対して、FCCが監視権限を持つことになるからだ。これらの新ルールに対抗するために有料テレビ業界が設立した団体The Future of TV Coalitionは、9月8日のブログ記事で、新しいルールもFCCの当初の要求と同様、著作権法を侵害し、「コンテンツのライセンス条件を不当かつ不正に定める権限をFCCに与えることになる」と述べた。

 FCCは、9月29日に開かれる公開会議で提案に対する投票を実施する予定だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

最終更新:9月9日(金)13時9分

CNET Japan