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「君の名は。」の舞台は飛騨! なぜ岐阜にアニメの聖地が集まるのか?

ZUU online 9月10日(土)8時10分配信

最近、「岐阜」を舞台にしたアニメ映画が相次いで公開されている。8月に公開され、大ヒット中の「君の名は。」以外にも、公開を控える作品がある。アニメの舞台(聖地)ランキングでも、岐阜は全国第6位にランキングされ、すでに多くの聖地巡礼者が、岐阜を訪れているらしい。この岐阜人気の理由は、一体どこにあるのだろうか。

■いまアツい、「君の名は。」の聖地は飛騨

2016年8月に公開された「君の名は。」は、新海誠監督の長編アニメーション最新作。公開前から大きな話題になっていたが、公開後もその魅力的なストーリーが大いに評判を呼び、初日から8日間で観客動員は212万人を突破し、興行収入は27億円を達成するなど、予想以上の大ヒットとなっている。

ストーリーは、高校生の男女が夢の中で入れ替わるところから、物語は走り始める。新海誠監督の「秒速5センチメートル」、「言の葉の庭」等と同様、瑞々しく鮮やかな自然の風景や情緒ある街並みは見ものだ。

ヒロインである女子高生が住む山深い田舎町のモデルとなっているのが、岐阜県飛騨市である。

飛騨市は岐阜県の北部に位置し、美しい河川や雄大な山々に囲まれた町。里山サイクリングや、郷土料理・飛騨牛の朴葉みそ焼き、合掌造り集落、高山祭に古川祭りなどの伝統行事もあり、魅力ある町として人気のある観光地だ。一方で、若い人たち向けの集客スポットは少ないという悩みを抱えていた。

そこに降って湧いたような“聖地巡礼”の波である。早くも今、「君の名は。」のファンたちが集結しているという。

飛騨市観光課も、映画の舞台に選ばれた喜びと同時に、このブームをチャンスにしたいという期待を膨らませているようだ。

■岐阜には実は何作品もの聖地があった

そもそも“聖地巡礼”とは、アニメ作品のモデルとなった場所(スポット)を“聖地”に見立て、その地を訪問すること。最近では日本中400カ所以上ともいわれる、聖地を巡る猛者も増えているという。

聖地巡礼の経済効果は自治体によっては20億円以上ともいわれ、とくに過疎や人口減少などの問題を抱える地方にとっては、新たな観光資源としての期待も高まっている。

順位都道府県 スポット数
1位 東京都1418
2位 神奈川県323
3位 京都府183
4位 埼玉県104
5位 千葉県101
6位 岐阜県89
7位 北海道81
8位 長野県80
9位 群馬県78
10位 広島県67



スポット数は、やはり東京がダントツで多い。多くのアニメーションの制作会社が、東京に集中していることが理由として推測される。また神奈川、埼玉、千葉などの関東近辺も、自然は豊かな上、ロケ地探しも東京から近く、便利なので選ばれるのだろう。関東近辺ならば、東京在住の聖地巡礼者にとっても、日帰りができるので行きやすい。京都や北海道は日本有数の観光地なので、絵になる風景も多く、アニメ作品の舞台となることも納得できる。

では、岐阜県が6位という高位置にランクしているのは、なぜかだろう。実は以前から岐阜を舞台にした、アニメ作品は数多くあった。主だったものを上げてみよう。

「氷菓」(岐阜県高山市)、「僕は友達が少ない」(岐阜県岐阜市・瑞穂市)、「ひぐらしのなく頃に」(岐阜県白川村)、「のうりん」(岐阜県美濃加茂市)、「かんなぎ」(岐阜県高山市)。「恋愛ラボ」(岐阜県岐阜市)、「星空へ架かる橋」(岐阜県高山市)、「B型H系」(岐阜県岐阜市)など、少なくとも8作品の舞台になっているのだ。

■岐阜人気の理由は立地と観光資源、そしてゲン担ぎ?

岐阜が人気になった理由のひとつとして、「氷菓」や「ひぐらしのなく頃に」のヒットと、それにともなう聖地巡礼者の増加、が上げられる。作品性が第一とはいえ、興行は当たるもはずれるも蓋を開けてみるまでわからない。大成功した「氷菓」、「ひぐらし」にあやかって、ゲン担ぎで岐阜が選ばれたことは十分考えられる。「氷菓」は小説から始まりアニメ・マンガと展開、「ひぐらし」はゲームから始まりアニメ・マンガ・小説、映画・ドラマから、パチンコまで展開されている。

もともと岐阜は前述したとおり、以前から隠れた観光地として見どころが多く、豊かな自然に恵まれた好立地である。ロケ地としては最適だろう。アニメ制作大手の京都アニメーションが近くにあるのも、岐阜が選択される大きな要因なのではないだろうか。

「君の名は。」に引き続き、この秋は「ルドルフとイッパイアッテナ」(岐阜市)、「聲(こえ)の形」(大垣市)など、やはり岐阜を舞台にした作品の公開が続いている。

作品の世界を肌で感じ、登場人物に共感し、ついでに地元の産品を購入してくれる聖地巡礼。新しいコト消費・モノ消費を呼びこむ誘発材として、地方からの期待も高まっている。KADOKAWA <9468> も現在、アニメファンの声を集めて「聖地88か所」を選定するプロジェクトを行うなど、訪日客をも巻き込んだ聖地巡礼を活性化させようとしている。

岐阜に話を戻すと、県内の各市町村も、アニメツーリズムの観点から地元の聖地化は大歓迎のようで、巡礼者を迎えるためのさまざまな施策を考案し、サポートを行っている。これからも岐阜を舞台としたアニメ作品は、続々と登場しそうな勢いで、若者の旅先として定着するのはそう遠くないかもしれない。(ZUU online編集部)

最終更新:9月10日(土)8時10分

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